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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

「インプロバブル」の共同創業者、ハーマン・ナルラ(左)とロブ・ホワイトヘッド(右)。
グーグルやゴールドマン・サックスから引き抜いたエンジニアと開発に勤しんでいる。

バーチャル・リアリティが話題のゲーム業界だが、もう一つ、世界を変える技術が生まれようとしている。あるスタートアップが開発したシミュレーション技術により、ゲームが“リアル”になる日がすぐそこに!

世界中にインターネットが普及した今、プレーヤーが同時に参加するゲーム、いわゆる「大規模多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)」が人気を博している。なかでも『ワールド・オブ・ウォークラフト』は昨年、売り上げが1億ドル(約120億円)に達するなど、多くのゲーマーを虜とりこにしてきた。
 
ところが今秋、さらに進化したゲームが登場するかもしれない。英ゲーム制作会社「ボッサ」が制作した『ワールズ・アドリフト(漂流する世界)』は、従来のゲームとは別次元の衝撃を世に与える可能性がある。極めて“リアル”なのだ。
 
その秘密は、彼らが組んだ英シミュレーション開発会社「インプロバブル」にある。同社は複雑なシミュレーションを実現するのに必要な処理能力を画期的に高めることに成功した。

一般的に、プログラムはサーバからサーバへとデータを順番に動かすが、インプロバブルは一斉に複数のサーバへプログラムを放ち、データの出し入れをする。これにより、極めて精度の高いシミュレーションが可能になったのだ。
 
例えば従来のソフトでは、あるユーザーがドラゴンを倒しても、それは他の何万ものユーザーがプレーする画面上には実在したままだった。徹底的にリアリティを追及するべくドラゴンを一体限りにしたくても、ソフトの処理能力の限界がそれを妨げていたのだ。

しかし、『ワールズ・アドリフト』では、誰かがドラゴンを殺してしまえば、それは二度と誰のゲームにも現れない。ゲームが限りなく、現実に近づくのである。

『ワールズ・アドリフト』がインプロバブルの技術を世に知らしめる初の製品になりそうだが、すでに韓国の総合電機企業サムスンや英国防省などからの引き合いが来ている。

そのシミュレーション技術はゲームの枠を超えて、さまざまな分野に生かせる可能性があるからだ。同社のハーマン・ナルラCEOも野心を隠そうとしない。

「僕らは、インプロバブルで世界の『タラレバ』を実現したいと考えています」

パーミー・オルソン = 文 ジュリアン・エデルスタイン = 写真 フォーブス ジャパン編集部 = 翻訳

 

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