働き方

2025.09.29 09:15

幸福度で10倍の差を生む「目標設定」が秘めている力

Getty Images

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目標設定の有無が働く人の幸福度に影響することが明らかになった。株式会社ミズカラが実施した調査によると、人生の目標設定をしている人としていない人では、幸福度の最高点をつける割合に約10倍の開きが見られることがわかった。

この幸福度格差の背景を探ると、働く人の目標設定に対する姿勢に大きな違いがあることがわかる。同じ調査によると、25歳から59歳の働く男女500名のうち約4割が、仕事において明確な目標を持たずに働いている。自発的に高い目標を設定する人はわずか1割程度で、多くの人が受動的な働き方をしていることも判明した。

受動的な働き方が広がる現状

調査結果を見ると、「自ら高い定性・定量目標を設定」する人は10.6%にとどまる一方で、「会社から与えられる数値を目標値として設定」する人(12.8%)や「定性のみ、など漠然と設定している」人(16.7%)を合わせると3割近くに達することがわかった。

多くの職場で「とりあえず与えられた業務をこなす」という消極的な働き方が常態化していることがうかがえる。

仕事の姿勢が人生設計にも影響

調査で最も興味深いのは、仕事での目標設定の姿勢が私生活の人生設計にまで影響している点だ。仕事で「自ら高い目標を設定」する人は、人生においても「明確に設定し、随時更新」する傾向が顕著に現れている。一方、仕事で目標設定をしない人の大部分が人生でも「設定する必要性を感じない」と答えている。

仕事は人生の大部分を占めるだけに、そこでの姿勢が生き方全体に波及することは自然な現象といえるかもしれない。

目標設定の有無で幸福度に差

人生の目標設定と幸福度の関係を見ると、両者の違いは歴然としている。人生の目標設定をしている人では、幸福度が高いと答えた人が約6割に達する一方、目標設定をしていない人では3割程度にとどまった。特に最高点をつける人の割合は、目標設定している人が13.2%に対し、していない人は1.4%と10倍近い開きがあった。

調査では、目標設定が「手ごたえを実感する基準」として機能し、日々の歩みに充実感をもたらすと分析している。

今回の調査結果は、目標設定が単なる業務管理の手法ではなく、働く人の幸福度に直結する重要な要素であることを示唆している。裏を返せば、明確な目標を持つことで充実感や幸福度を高められる可能性があるということでもある。

仕事での目標設定が人生全体にもポジティブな影響を与えるとすれば、その効果は個人にとっても組織にとっても大きな意味を持つことになるだろう。

【調査概要】
調査対象:全国の25~59歳の有職者男女500名
調査期間:2025年8月26日~8月27日
調査方法:インターネット調査

プレスリリース

文=池田美樹

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