2025.09.27 14:15

海の旅は内省を促す。27年日本就航の「エクスプローラ ジャーニー」代表に聞く

今、数々のラグジュアリーブランドが、業界の枠を超えて顧客を取り巻くライフスタイルをキュレーションし、ブランドとの絆を構築しようとしている。よりパーソナライズされた、ワンランク上のラグジュアリー体験の提供。そのトレンドはクルーズ業界にも押し寄せている。

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コンテナ輸送からクルーズまでを展開する世界有数の海運会社「地中海海運会社(MSC)」を営むイタリアのアポンテ家は、富裕層マーケットへの更なる訴求のため、2023年にラグジュアリークルーズブランド「エクスプローラ ジャーニー」をローンチ。続く24年、アマングループの元CCO、アナ・ナッシュが社長に就任した。

アマンで活躍した彼女の起用は、今の時代に合った洗練されたラグジュアリーへの舵切りととれる。9月10日には、2027年9月に日本に就航することも発表された。日本を愛することでも知られるナッシュにこの日本発着便への期待と、ブランドコンセプトである「海とのつながり」を感じるクルーズの詳細を聞いた。

「エクスプローラ ジャーニーは、目的地への移動手段にとどまらない、旅そのもの。内省や癒し、そしてインスピレーションをもたらす特別な空間でもあります。私たちはクルーズとは呼ばず、オーシャントラベルという言葉を選びます」

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そう語るナッシュは、エクスプローラ ジャーニーには、アマンで学んだ「過剰ではなく、本当に価値ある瞬間をつくり出す芸術こそラグジュアリーである」という考えが反映されているという。

海の上という隔たれた空間、しかもエクスプローラ ジャーニーは463室を備える客船だ。アマンの場合、リゾートであれば50室以下、都市型ホテルでも100室以下であることを考えると何倍もの規模になる。それでも、陸の上と同じように、ゲスト一人ひとりが名前で認識され、きめ細やかなサービスを通じて、まるで家にいるようなくつろげる感覚を覚える時間を提供することを目指す。また、ウェルネスにも力を入れ、乗船時の健康だけではなく、旅の後にも続く、精神的な豊かさや心の調和を生み出すように考えられているという。

アマンはリピーター率の高さで知られるが、それ同様にエクスプローラ ジャーニーもリピーター率は4割近い。「戻ってきてくださるゲストがいてくださるのは、私たちが単なる旅を提供しているのではなく、“感情”と“夢”を扱う仕事をしていることの証だと感じています」と語る。

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文=仲山 今日子

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