欧州

2025.09.24 12:30

ロシアは「景気後退の瀬戸際」、経済発展相 25年のGDP成長率予測は1%未満

ロシア北西部サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムに出席した同国のマクシム・レシェトニコフ経済発展相。2025年6月20日撮影(Maksim Konstantinov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

堅調に推移していたロシアの戦時経済

南米、アフリカ、アジアの企業との取引に加え、ロシアは経済を維持するため、他の戦略も採用している。例えば、国内経済の再編だ。制裁を受け、ロシア政府は軍需産業を優先することを決定した。それに伴い、政府は資金と労働力を同産業に再配分した。

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この戦時経済への移行は当初、国内に恩恵をもたらした。例えば、ロシアのGDPは23年に前年比3.6%、24年に同4.1%拡大した。ロシア国内では賃金が上昇し、失業率が低下するとともに、製造業が成長した。その結果、制裁の影響はあるものの、ロシア経済は堅調に推移していた。

ロシアが直面する現在の状況

ところが、戦時経済が長引くにつれ、経済の不均衡が露呈し始めている。例えば、軍需産業への資源の移転により、ロシアの民生用工業生産は減少傾向にある。米カーネギー国際平和基金(CEIP)は、ロシア国内の民生用工場の稼働率が81%にとどまっていると報告した。民間産業では労働力が不足し、消費財の生産が停滞している。

物価上昇も国内経済に影響を及ぼし始めている。需要の高まりにより、食品や日用品、サービスの価格が上昇した。これらの商品やサービスを生産するためのコストも増加しており、価格上昇に拍車をかけている。価格上昇に適応するのに苦労する世帯もあり、国民の生活水準にも影響が及んでいる。言い換えれば、ロシア経済の変化に伴って国民が負担を強いられているのだ。

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最後に、インフレもロシアの経済減速の一因となっている。仏国営放送「フランス24」が報じたところによると、ロシアがウクライナ侵攻の資金調達のために防衛予算を増額したことで、国内のインフレが加速し、ロシア経済は過熱状態に陥った。ロシア中央銀行は金利を段階的に調整することで、経済の過熱を抑えようとしてきた。だが、こうした取り組みは、軍需産業に対する政府支出の増加による影響を相殺するには不十分だった。ゆえに、レシェトニコフ経済発展相をはじめとする経済の専門家らは、ロシアが景気後退に向かっていると警告しているのだ。

ロシア経済が今後、景気後退に陥るかどうか、確かなことは誰にも分からない。ロシア政府が戦時支出に注力し続ける一方で、民生部門の資源を転用することは、国内の経済状況を悪化させ、景気後退の可能性を高めるだけだ。政府がこうした事態の継続にどう対処していくのか、またそれがウクライナ侵攻にどのような影響を与えるのかは、今後注視していく必要がある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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