石油関連施設に対する攻撃はロシア経済に直接影響を与えている。燃料不足を引き起こし、ガソリンは記録的な高値に達している。ロシア政府は国内市場を安定させるため輸出を制限せざるを得なくなった。輸出可能な燃料が減ったことで、ロシアの石油収入は減少し、軍事行動に充てられる予算も制約を受けている。
この影響はロシアの石油供給の不安定さによって増幅されており、それは外国の顧客離れを促し、ロシア経済をさらに弱体化させている。加えてロシアは、本来は軍を支えるための財源の一部を製油所の修復や防護に振り向けざるを得なくなっている。ロシアは大規模な経済を持つ国だが、エネルギー部門への打撃は相当な負担になっているということだ。
コストがかさむロシアの戦争
ロシア経済がウクライナのドローン攻撃で打撃を受けるなか、ロシアの戦費は拡大している。ロシア軍は2025年の夏季攻勢に多大なリソースを投じたが、戦果は乏しく、人員と装備に甚大な損害を被っている。ロシア軍の進軍の多くはウクライナ軍のドローン攻撃で阻止された。ウクライナ軍は安価なFPV(一人称視点)ドローンを駆使してロシア軍の車両を破壊し、連携した機動を妨害している。ロシア軍は、厳重に要塞化されたウクライナの要塞都市群の攻略や渡河にも苦戦しており、前線を思うように押し上げられていない。
ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍は年初から8月末までにウクライナ東部ルハンシク州、ドネツク州、北東部ハルキウ州で計21万人近くの死傷者を出し、装甲車2100両超、戦車約1200両、火砲7300門あまりなどを撃破されるか損傷したと主張している。これらの数字は誇張されている可能性が高いとはいえ、ロシア側が今年甚大な損失を被り、しかもウクライナの主要な都市をひとつも占領できていないのは確かである。
同様に、ウクライナの都市に対するロシアのミサイル・ドローン攻撃作戦も、投入資金を大幅に増やしているにもかかわらず、効果は限定的である。ウクライナの防空網を突破するために、ロシアは一斉攻撃の規模をさらに拡大するとともに、シャヘド型ドローンを改良し、航法・制御能力を高めた。ただ、その結果、毎回の攻撃のコストは増大し、すでに逼迫している軍事予算をさらに圧迫している。


