(5)チームビルディングとリーダーシップ
チームビルディング活動と、個々の結びつきを通じてチームの結束を強めることも、同じく重要だ。こうした取り組みは、メンバー同士の絆を修復・強化し、一体感と、共通の目的意識を育むのに役立つ。
こうした変化を促す上で中心的な役割を果たすのがリーダーシップだ。リーダーが自身の役割を適切に全うするためには、積極的に関与して、支援や指導を行い、自らが模範となってメンバーに望む行動を示さなくてはならない。これに関しては、チームビルディングを目的としたリトリート(合宿などのイベント)や、非公式な集まりが効果的なことがある。
場合によっては、スキル不足やリソースの欠如が、ドゥーム・ループの原因になっている可能性もある。その場合は、チームメンバーに対してトレーニングの機会や追加支援を与えると、問題を乗り越える力を得られるかもしれない。例えば、カスタマーサービス担当チームであれば、対立の解消法を身に付けるトレーニングが役立つだろう。
チーム内の取り組みでは不十分である場合は、コンサルタントやコーチなど外部の専門家に助けを求め、新鮮な見方や専門的なアドバイスをもらうのも1つの手だ。例えば、経営コンサルタントに依頼して、効率の悪い業務をチェックしてもらうのもいいだろう。
(6)定期的に進捗状況をチェックし、調整する
前向きな勢いを維持するためには、定期的に進捗状況をチェックし、必要に応じて調整できるようにしておくことが必要だ。些細なことであっても、物事がうまくいけば祝福し、失敗したらそこから学ぶようにすると、チームはドゥーム・ループから抜け出しやすくなる。以前よりレジリエンスに優れ、団結力が深まった強いチームに生まれ変われるかもしれない。
ドゥーム・ループから抜け出すのは容易ではない。しかし、協力して戦略的に取り組めば、抜け出すことは十分に可能だ。例えば、検討会議を毎月開いて、チーム全体で成果を振り返り、改善すべき点を確認し、継続的な学びと成長の文化を強化する、といったやり方が考えられる。
まとめ:根本的に生まれ変われるチャンス
チームマネジメントにおいて、「ドゥーム・ループ」から抜け出すことは、船を危険な海域から穏やかな海域へと導くことに似ている。その航路では、危険をかわしながら巧みに進んでいくだけでなく、成長とイノベーションに向けて共に団結することも求められる。
灰から不死鳥が生まれるように、チームは、かつてないほど強くしなやかになって、ドゥーム・ループから抜け出し、勢いを復活できるかもしれない。
こうした変化は、根本的に生まれ変われるチャンスであり、逆境は前向きに進化するための契機となる。自らの目標を再定義し、絆を新たにすれば、チームは新しい可能性と創造性を見いだせるだろう。ぜひ挑戦に立ち向かってほしい。


