(2)オープンなコミュニケーション
ドゥーム・ループが起きていることをいったん認めたら、次なるステップは、オープンなコミュニケーションを育むことだ。そのためには、チームメンバーが、批判や仕返しを恐れることなく、自らの懸念や不満を表現できる環境を整えなくてはならない。率直な対話が可能になると、根本的な問題を特定して、信頼を回復したり、再び築いたりしやすくなる。
例えば、定期的にチームミーティングを開き、課題について、皆がオープンに話し合える機会を持つことが考えられる。マーケティングチームであれば、「キャンペーンの効果が低下していることにどう対処するか」といったテーマを話し合うわけだ。
(3)目標を見直し、再調整する
チームが掲げるゴールや目標を見直し、再調整することも不可欠だ。ドゥーム・ループのさなかにあっては、本来の目標が達成不可能に思えたり、見当外れだと感じたりすることがある。しかし、現実的でわかりやすい目標を新たに設定すると、チームに必要な方向性と目的意識が生まれる可能性がある。
また、小さくて対処しやすい目標を立ててその達成に力を入れると、勢いがつきやすくなる。短期的に得られる確実な成果は、チームの自信回復と進歩の証明にとって欠かせない。
例えば、営業チームの場合は、売上アップを即座に目指すよりも、顧客エンゲージメント向上という控えめな目標を立てるといったことが考えられる。
(4)「学習のマインドセット」を育む
挫折に対するチームの見方を変えることも、非常に重要な要素だ。責任転嫁の文化ではなく、過ちを成長の機会とみなすような「学習のマインドセット」を育むことで、チームダイナミクスは大きく変化する。
こうしたアプローチは、「完璧でなければ」というプレッシャーを軽減すると同時に、イノベーションとリスクをいとわない姿勢を促す。これらは、負のスパイラルから抜け出すのに不可欠だ。
例えば、研究開発チームの場合は、実験に失敗しても、失敗を分析することで、今後の取り組みを改善することができるだろう。


