料理レシピのコミュニティーサイト「クックパッド」では、手軽に作れて美味しい簡単メニューが人気だが、今年は、パスタやハンバーグといった定番料理が検索数のトップ5から消え、1位の親子丼以外はすべて中華料理が占める結果となった。そこには、今どきの事情が見え隠れする。
一般の料理好きな人たちの投稿レシピを検索できるクックパッドは、現在、日本を含む67カ国と地域、26の言語で展開されている人気サービスだ。同サイトは、「簡単×親子丼」のように「簡単」と料理名の組合せで検索されたレシピの頻度からトップ5を解析し発表した。
1位は昨年と同じ「親子丼」。これは2021年から2023年まで4位をキープし、2024年からトップに躍り出た定番レシピだ。ところが、2位は「麻婆豆腐」、3位は「青椒肉絲」、4位は「エビマヨ」、5位は「回鍋肉」と中華が並んだ。それまでの定番だったパスタ、クッキー、茶碗蒸し、ハンバーグは選外に追いやられた形だ。
簡単とはいえ、ハンバーグは挽肉を捏ねるなど、それなりに手間がかかる。また、パスタ、茶碗蒸し、ハンバーグは調理に使う道具が多く洗い物が増えるのも「簡単」から外れる原因になったのかもしれない。中華は基本的にフライパンひとつで済む。クックパッドは、味が濃く主役級でありながら「ひき肉や冷凍エビなど身近な食材で作れる」のが中華メニューの共通点と指摘する。
簡単レシピを素材別に見ると、2021年から2025年まで「鶏胸肉」が不動の1位だが、ホットケーキミックス、さつま芋、じゃがいもなどの定番が2025年には姿を消して、肉とキャベツに入れ替わった。クックパッドはタンパク質を重視した「健康志向と節約志向が両立する食材」の人気が選ばれるようになったと分析している。
クックパッドのユーザーには「短時間で家族が喜ぶ料理を作りたい」と望んでいる人が多いそうだ。そこで見た目にも味にもインパクトがあり、作るのも片付けも楽なこれらの中華メニューが好まれたようだ。
