競合のYコンビネータなどと比較し、補完的役割を強調
データブリックスの狙いは、自社の顧客と将来的に取引することになる若い企業に投資することだとゴドシは語る。そのため、同社は主に企業向けソフトウェアやインフラ関連のスタートアップに重点を置いている。ただし、スタートアップ向けアクセラレーターはすでに競争が激しい分野で、代表的なものには、20年にわたりシード段階の投資を行ってきたシリコンバレーの老舗の「Yコンビネータ」、フェイスブックへの初期投資を成功させたアリ・パルトヴィが立ち上げた「Neo」、名門VCのセコイアが設立したインキュベーターの「Arc」などが挙げられる。
データブリックス・ベンチャーズの責任者アンドリュー・ファーガソンは、このプログラムをYコンビネータのようなシードファンドやインキュベーターの競合とは見ていないと話す。Yコンビネータは新興企業に「ブートキャンプ」(短期集中型育成プログラム)に近い体験を提供するが、データブリックスのプログラムはより軽いタッチだという。ファーガソンはさらに、「データブリックスのアクセラレーターは他のプログラムを補完する存在でもある」と強調した。なぜなら、同社は他のVCと並んで投資をするものの、ラウンドをリードすることはないからだ。
また、Yコンビネータがポートフォリオ企業のすべてに対して、50万ドル(約7400万円)の投資と引き換えに一律7%の株式を取得するのとは対照的に、データブリックスのアクセラレーターに、そのような一律の条件は存在しない。同社の投資の条件は、企業や資金調達段階に応じて変化する。
累計約2.9兆円を調達、豊富な実績で新興企業の投資家獲得を支援
今回の発表は、データブリックスがシリーズKラウンドで10億ドル(約1470億円)を調達し、評価額が1000億ドル(約14.7兆円)に達したと発表した1週間後に行われた。同社は、2013年の創業以来で累計約200億ドル(約2.9兆円)を調達しており、その豊富な資金調達の実績は、「アクセラレーターに参加する企業が新たな投資家との関係を築くうえで大きな資産になる」とゴドシは述べている。「市場にいる投資家のほとんどは、すでに我々の株主名簿に名を連ねている」と彼は語る。
ゴドシCEO、「上場は時期の問題だ。必ず実現する」
さらに、今回の10億ドル(約1470億円)の資金調達により、データブリックスのIPO観測は再び高まっている。同社はここ数年、最有力のIPO候補と目されてきたが、ゴドシによれば依然としてその選択肢は残されている。同社がこれまで上場を先送りしてきたのは、必要な資金をプライベート市場で調達できていたからだという。
「今は資本が潤沢にある。もしこれが20年前なら、上場しなければならなかっただろう」と語る彼によると、公式なスケジュールは未定だが、年内の上場の可能性は低いという。「これまでも言ってきたように、上場は時期の問題だ。必ず実現する」とゴドシは語った。


