ビットコインと暗号資産は今年に入り再び急騰しており、その主因はウォール街による暗号資産ETFの組成と、ドナルド・トランプ米大統領の支持である。
ビットコイン価格は2025年9月、12万4000ドルを突破した。しかし2025年初頭の上昇はここ数カ月で足踏みしている。
米ドルに対する懸念が高まるなか、米証券取引委員会(SEC)は大きなルール変更を承認した。これによりビットコインや暗号資産に投資するETFの「水門」が開く可能性がある。
先週、SECは3つの証券取引所による規則改正案に賛成票を投じ、暗号資産ETFの新規上場に関して包括的な基準を導入できるようにした。
「SECの承認は『水門を開く』ことになるだろう」と、ストラドリー・ロノンのパートナーであるスティーブ・ファイナウアーはロイターに語った。
「今週の大きな出来事は、ニューヨーク証券取引所、ナスダック証券取引所、シカゴ・オプション取引所といった取引所における暗号資産ETFの包括的な上場基準をSECが承認したことだ」とマクロ経済アナリストでThe Coin Bureau創設者のニック・パックリンもメールでのコメントで述べている。
「これまではETFごとに長期にわたる個別審査が必要だった。しかし今後は新しい商品をわずか75日で上場できる。これはイーサリアム、ソラナ、ドージコインに連動するファンド、さらには暗号資産バスケットETFにとっても大きな意味を持つ。障壁が劇的に下がるからだ」
こうしたルール変更による追い風に加え、ビットコインやイーサリアム以外の暗号資産ETFの需要を証明する出来事があった。米国では初となるリップルのXRPやドージコインに投資するETFが9月18日に取引を開始し、およそ5500万ドル(約81億5800万円)の取引高を記録したのだ。
シカゴ・オプション取引所に上場され、ティッカーXRPRで取引されるREX-Osprey XRP ETFは、ブルームバーグ・インテリジェンスの上級ETFアナリストであるエリック・バルチュナスがXに投稿したところによると、今年最大の初日取引高を記録した。
8月には、ノバディウス・ウェルスの社長を務めるネイト・ジェラシが「ブラックロックがビットコインとイーサリアム以外の暗号資産を無視するのは全く理にかなわない」と発言していた。
「そうでなければ、ビットコインとイーサリアムだけが永遠に価値を持つということになる。大胆すぎる」とジェラシはXに投稿した。
ブラックロックの現物ビットコインETFは2024年初頭にウォール街で急成長を遂げ、史上最速で拡大したETFとなり、現在、同ETFは880億ドル(約13兆500億円)相当、75万ビットコインを保有している。
約10兆ドル(約1482兆円)の運用資産を持つブラックロックは、2023年に待望の現物ビットコインETFを市場に投入するための運動を主導した。そのブラックロックが運用するiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)は、2024年1月に立ち上がった複数のファンドの中でも圧倒的な存在感を示している。
ビットコインの発行枚数上限である2100万ビットコインのうち、ブラックロックのファンドだけで約4%を保有している。これについては、ブラックロックがネットワークに過度な影響力を持つ可能性があると警告する声もある。



