最も多くの都市がランクインした州
最も少ない支出で退職後の生活を送ることができるのは、上位25都市に8都市が入ったフロリダ州だ。生活費が安く、暮らしやすさスコアも高得点となっている。その最大の要因は、州から所得税が課されないことだろう。
金融情報サイトのKiplingerによると、住民に所得税を課さない州(フロリダやテキサス、ネバダなど)で暮らす退職者たちは、高率の所得税(6~10%以上)が課される州(カリフォルニア、ニューヨークなど)に住む高齢者と比べ、毎年数千ドル多くを蓄えることができる。
だが、一方では、ニューヨークやボストンのように公共交通機関のサービスが充実している大都市では、交通費の支出を抑えることができる。これは、覚えておくべき重要な点だろう。Vision Retirementのデータによると、世帯主が65歳以上の世帯の交通費は月額およそ753ドル(約11万2000円)で、住宅費に次いで大きな割合を占めている。
2位につけたフロリダ州のフォートマイヤーズは、同スコアが85。退職者の人口が全体に占める割合は22%で、国内で最も高い水準となっている。
また、生活費は全米平均より約4%高いものの、月額では住宅所有の場合が約1746ドル(約25万9000円)、賃貸住宅の場合が約1468ドル(約21万8000円)となっている。
4位に入った同州のジャクソンビルは、同スコアが84。毎月の生活費は、住宅所有の場合が約1197ドル(約17万7000円)、賃貸住宅の場合が約1073ドル(約15万9000円)となっている。海辺に近いエリアでの生活、アドベンチャーやナイトライフが楽しめること、そして全米平均より約4%安い物価などを考慮すれば、サンシャイン ステート(フロリダ州)の中でも最も価値の高い大都市の1つといえる。
さらに、5位のペンサコラ同スコアが83。生活費は全米平均を11%下回っている。月あたりの生活費の平均は、住宅所有の場合が約929ドル(約13万8000円)、賃貸住宅の場合が約1136ドル(約16万8000円)。美しい白砂のビーチと活気あるアートシーンを誇るこの都市は、州内で最も暮らしやすい「海辺の町」の1つだろう。
フロリダ州ではそのほか、オーランド(13位)、デイトナビーチ(16位)、タンパ(19位)、レイクランド(25位)がランキングに名前を並べている。
その他の暮らしやすい都市
フロリダ州に次いで最も多くの都市が上位に入ったのは、エルパソ(9位)、ダラス(10位)、サンアントニオ(14位)、コーパスクリスティ(15位)、ミッドランド(22位)があるテキサス州だった。年金生活者にとって特に魅力的なのは、住宅費の安さ、温暖な気候、所得税が課されないことだろう。
全体として、退職後に暮らしやすい米国の都市は、南部に集中している。上記のほかには、南東部のノースカロライナ州とサウルカロライナ州、ジョージア州の都市が、25位までに入った。


