夜空に少しでも興味を示した子どもに手頃な小さい天体望遠鏡をプレゼントする、というのはよくある話だ。望遠鏡を使えば、遠い銀河だって見える。
ただし、アンドロメダ銀河(M31)は別だ。私たちの暮らす銀河系(天の川銀河)から最も近いこの大型銀河は、望遠鏡では拡大されすぎて却ってよく見えない。最も鮮明にその姿を観察できるのは、双眼鏡で覗いたときだ。そして、その輝きは肉眼でもとらえられる。
アンドロメダ銀河を眺めるとき、私たちは約250万年前の光を見ている。人類の遠い祖先がアフリカで道具を使い始めた頃に放たれた光だ。これは肉眼で見ることのできる最も遠い天体のひとつである。
北半球の秋の夜空でアンドロメダ銀河を見つけるコツを伝授しよう。
いつ、どこに見える?
アンドロメダ銀河を観望するなら9月と10月がうってつけ。北半球の中緯度地域では夜遅くになると東北東の空高くに昇り、見つけやすくなる。未明には天頂付近まで昇って南中するが、地上の明かりが届かず大気の乱れも最小限なため、観測条件がよい。
したがって宵のうちに位置を確認しておき、夜が更けてから高く昇った銀河を観察するのがよいだろう。
アンドロメダ銀河を探すのに最適な時期は、下弦の月が終わった後、新月の前後までだ。今月は22日が新月。つまり、今がその時である。



