欧州

2025.09.21 09:00

ウクライナのドローン猛襲がロシア経済に打撃 現代版「ダビデの投石」、巨人の急所を撃つ

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ゴリアテの弱点を探り出すダビデ

モスクワやサンクトペテルブルクのような都市に対する攻撃は、心理的な効果と戦場での効果の両方をもたらす。これら中心都市への圧力が強まるほど、ロシア側は希少な防空システムを前線から移す切迫度が高まる。米シンクタンク、ハドソン研究所のルーク・コフィー上級研究員は筆者のインタビューで「ロシアの戦略的資産は歴史を通じてその国土の広大さでした」と説明した。しかし、その「資産」は、ウクライナのドローン戦力が拡大するにつれて、急速に「負債」、つまり不利な点に変わってきている。「単純に、ロシアはどこもかしこも守れるほどの装備や能力を欠いているのです」(コフィー)

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戦場以外でも、この戦争は外国でのロシアに対する見方を変容させている。米カーネギー国際平和財団のルスラン・スレイマノフ研究員は2023年9月の論考で、アフガニスタンの首都カブールでは多くの人がロシアを「首都がたびたびドローン攻撃を受ける危険な場所」と見ていると紹介している。

ドナルド・トランプ米大統領のウクライナ担当特使を務めるキース・ケロッグ陸軍中将(退役)は13日、キーウで開かれたヤルタ欧州戦略会議の席上、ホワイトハウスの大統領執務室でトランプからロシアは勝っているのかと尋ねられた際、「いいえ」と答えたと明かした

時間がたつにつれてウクライナは、技術的な強みを増していることだけでなく、プーチンに対する圧力を強めて、最終的に交渉のテーブルに着かせるための条件を整える能力があることも証明しつつある。

トランプ政権は、経済制裁とウクライナによる実力行使を組み合わせることで、ロシアを交渉の場に引きずり出す機会を得ている。コフィーはこう語る。「ロシアにとって石油輸出は引き続き経済の生命線です。だからこそ、トランプ大統領はこの問題をたいへん重視しているのです」

ウクライナのオレクシー・レズニコウ元国防相は米紙ウォールストリート・ジャーナルに「現代の戦争は資源の戦争」だと述べたうえで、「ウクライナはゴリアテの弱点を見つけようとしているダビデなのです」と旧約聖書の登場人物になぞらえている。ウクライナは長距離ドローンやミサイルの生産を増強しており、攻撃のペースはさらに上がる可能性がある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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