ウクライナがロシアに対する航空作戦を激化させている。ロシア国内の製油所を破壊するだけでなく、ロシアの経済インフラや政治エリート層の脆弱さを露呈させることも狙いだ。9月9日には、ウクライナのドローン(無人機)が黒海沿岸のソチを襲った。そこでは数時間前に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が会合を行ったばかりだった。
3日後の12日、ウクライナのドローンはロシア北西部レニングラード州のプリモルスク港を初めて攻撃した。サンクトペテルブルクに近く、ロシア西部で最大の原油積み出し港である同港は、一時的に操業停止に追い込まれた。ドローンの脅威のためにサンクトペテルブルク市内のプルコボ空港も閉鎖された。
和平交渉を求めるロシア人の割合が過去最高に
ウクライナのドローン攻勢は、燃料危機の深刻化やインフレの加速を通じてクレムリンに対する圧力を強めている。ロシアの独立系の世論調査機関レバダセンターがこのほど発表した8月の調査結果によると、和平交渉に移行すべき時だと回答したロシア人の割合は66%と過去最高に達した。軍事行動の継続を支持するとした人は27%にとどまり、過去最低だった。同センターによる6月の調査では、58%が物価上昇を最も懸念する事柄に挙げている。
一般的なロシア国民は不満を募らせているものの、エリート層が動揺するまでには至っていない。戦争に対する国民の不満が高まる一方、モスクワやサンクトペテルブルクのエリート層はなお混乱への「耐性」が高いようだ。カナダのマギル大学のマリア・ポポバ准教授(政治学)は「モスクワやサンクトペテルブルクのエリート層は、戦争に関連した混乱への許容度が比較的高く、こうした攻撃が政治を不安定化させるのは(混乱が)長期にわたり続く場合に限られるでしょう」と解説する。
燃料危機、景気の急減速、財政赤字の大膨張
ロシアの国土は11もの時間帯にまたがっており、皮肉にもこの広大さこそがウクライナのドローン攻撃に対する防御で最大の弱点になっている。ウクライナのシンクタンク、ウクライナ安全保障・協力センター(USCC)のセルヒー・クザン会長は筆者のインタビューで「製油所への攻撃と鉄道への攻撃が相まって、ロシアの製油能力の17~21%が機能不全に陥っています」と語った。ウクライナのドローンはつい最近も国境からおよそ1500km離れた製油所を攻撃している。
Ukraine’s intelligence agency has confirmed the strike on the Bashneft-Novoil refinery in Ufa. Sources say powerful explosions followed by a massive fire damaged key infrastructure, including a vacuum distillation unit. pic.twitter.com/hvPQx95Udd
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) September 13, 2025



