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2025.09.20 09:00

【レビュー】AirPodsは仕事に欠かせない翻訳機に──「ライブ翻訳」を開発したアップルの狙い

25年モデルのiPhoneと同日に発売されたワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 3」の革新性に迫る

25年モデルのiPhoneと同日に発売されたワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 3」の革新性に迫る

アップルのAirPodsは、いま世界で最も売れている左右独立型ワイヤレスイヤホンのシリーズのひとつだ。その最新モデルである「AirPods Pro 3」が9月19日に発売を迎えた。この製品に触れると、これから変わりゆくワイヤレスイヤホンの未来が見えてくる。

iPhoneといっしょにワイヤレスイヤホンを革新してきたAirPods

2007年にアップルのiPhoneが誕生してから、2010年代にはスマートフォンが一気に普及した。同じ頃、Bluetoothによるワイヤレスオーディオの通信技術が発展し、音楽リスニングを楽しむためのデバイスとしてワイヤレスイヤホンが一般に広く使われるようになった。

そして2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、多くのビジネスパーソンがリモートワークを強いられた。当時、オンライン会議やハンズフリー通話を助けるコミュニケーションツールとしてワイヤレスイヤホンの価値が再定義され、多くの人々が「はじめてのワイヤレスイヤホン」を買い求めた。

AirPods Proが搭載するアクティブノイズキャンセリング(ANC)の機能は、高性能なマイクで環境音をモニタリングして、電気的な信号処理によってオーディオリスニングに不要なノイズだけを低減する。アップルが最初にAirPods Proを発売したのは2019年の秋だった。以降、2022年に機能向上を図った第2世代のモデルを発売。翌年には充電用のデジタルコネクターをLightningからUSB-Cに変更したマイナーチェンジモデルが登場する。今年発売されたAirPods Pro 3はシリーズの第3世代機だ。

AirPods ProはiPhoneとの相性がとても良い。Bluetoothワイヤレスイヤホンのペインポイントである「機器同士のペアリング」がワンタッチで迷うことなくできる。空間オーディオコンテンツの再生時に使えるヘッドトラッキング機能など、AndroidスマホよりもiPhoneと組み合わせた時にたくさんの便利な機能が使える。ゆえにiPhoneユーザーから特に人気が高い。

AirPods Proのサウンド、ノイズキャンセリング性能を最大限まで発揮するためには「正しく装着すること」が大切。iPhoneにペアリングすると、イヤホンの「設定」メニューから正しい装着状態が確認できる
AirPods Proのサウンド、ノイズキャンセリング性能を最大限まで発揮するためには「正しく装着すること」が大切。iPhoneにペアリングすると、イヤホンの「設定」メニューから正しい装着状態が確認できる

その「iPhone連携」の中核を担っているのが、アップルが独自に設計したApple H2チップだ。Apple H2チップがiPhoneにiPad、Macをはじめとするアップル製デバイスにペアリングされたことを賢く認識して、Apple Intelligenceにも連携するAirPods Proの先進的なコンピューテショナルオーディオの機能をスムーズに動かす。アップルが新たに発表した「ライブ翻訳」はその代表的な事例だ。

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編集=安井克至

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