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フォーブスジャパン12月号より

ビジネスモデルの歴史とは、ビジネスモデル革新の歴史である。「勝ち残った企業」ではなく、革新的なビジネスモデルを生み出した「先駆的企業」のビジネスモデルを紹介する。

1.垂直モデル
アメリカを代表する自動車メーカーのフォードが1910年代につくり出したモデル。
自動車普及の鍵となった低価格化を可能にした「T型フォード」の増産のため、生産システム、販売システムをはじめ、原材料・部品(製鉄所・ガラス工場・ゴム工場)まで、できるだけ多くの機能を自社で内製化する、垂直統合モデルをつくり出した。

2.替え刃モデル
「本体ではなく使い捨ての替え刃で儲ける安全剃刀」を20世紀初頭に開発したジレットの「収益の仕組み」を変えたビジネスモデル。
本体を安く売り、その後の消耗品やサービスで長く大きく稼ぐモデルで、携帯電話と通話・データ通信料、インクジェット/レーザープリンターとインク/トナーなど多くの商品で採用されている。

3.広告モデル
スポンサーからの広告費で、消費者は1円も払わず、かつ商品を買う義務も負わず、自由にメディアコンテンツを楽しめる「収益の仕組み」を変えたラジオ局CBSのビジネスモデル。さらに、放送枠を1時間刻みのみの広告から、5〜15分刻みでも売るようにし、多くの広告主のニーズに応え、スポンサー獲得に成功した。

4.リーン生産モデル
「在庫は悪」という考え方と「人の能力を核にした生産・改善活動」が欧米製造業の常識を打ち破ったと、世界で評されたトヨタの生産システム。
規模に頼らない生産性の向上を目指し、「極限まで在庫を減らせれば、自然と品質は上がり、コストは下がるはず」と取り組み、トヨタを世界的な自動車メーカーへと導いた。

5.ドミナント・モデル
ウォルマートは、多くの店舗を結ぶ独自の流通センターを築き、大中都市立地が前提だったディスカウントストアのビジネスモデルを小都市立地でも儲かるものに変えた。
小都市は競合が少なく、人口の伸びが著しかったこともあり、物流網が完成すれば地域ドミナント(支配)になり、持続的な優位性を得て成功した。

6.プラットフォーム・モデル
任天堂がファミコンで築いたビジネスモデル。
「安い本体を普及させ、その後のソフトで儲ける」という替え刃モデル。かつ、ソフトを知財で守り、サードパーティを幅広く活用するオープン型にした。自社内に「ハードとソフトの両方の開発力をもつ」ことで、ハード投入時に「自社ソフトで引っ張る」ことを可能にした。

7.ダイレクト・モデル
Dellモデルとも呼ばれる、ユーザー直結・在庫なしの受注生産方式の直販システム。
成熟しつつあったPC市場で、大企業をターゲットに、素早い納品、カスタマイズ、低価格で戦った。保守サービスを他社に任せるなど顧客と提供価値に必要な機能だけを提供する組織を、社内外をネットワーク化しつくりあげた。

8.SPAモデル
GAPやベネトンがつくった「企画したものを大量発注して売り切る」モデル。
多店舗展開により、単品当たりの発注量を多くし、アジア各国の工場と直接取引し、大幅なコストダウンにつなげる。その後は、ZARAのように、新製品をどんどん出して、消費者の本当の好みを探って合わせていくというモデルも生まれた。

9.ロングテール・モデル
アマゾンの「リアル店舗では手に入らないマイナーな商品」が儲けの源泉となるモデル。
ネット通販により、実店舗の数倍・数十倍の「品揃え」が可能にしたビジネスモデル。従来、書店の棚を無駄に占める赤字商品が、全米中1冊でいいので大したコストにならず利益を生むため、売り上げよりも利益に影響を与えた。

三谷宏治 = 文

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