欧州

2025.09.20 10:00

プーチンの戦争がついにロシア国内に降りかかる 燃料問題で痛み感じ始めた国民

ロシア中部バシコルトスタン共和国ウファで2025年9月13日、製油所がウクライナのドローン(無人機)攻撃を受けた様子とみられる画像。Xで共有された動画から

ロシア政府にはほかにも選択肢がある。一例を挙げれば、基準を緩和して、製油所に対して規格外の製品を車用の燃料として出荷することを認める、といったものだ。こういったもろもろを踏まえると、ロシアのシステムにどれほど「ゆとり」があるか、また、これまで製油所に対する攻撃が重ねられても、なぜガソリンスタンドではあまり影響がみられなかったのかが理解できる。

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だが、ここ数週間でウクライナによる攻撃は大幅に激化している。OSINTアナリストのSpecial Kherson Catのまとめによると、8月上旬から9月上旬までにロシアの製油所13カ所が攻撃され、その年間製油能力の合計は1億1000万tを超えるという。

この戦争に関する情報を発信しているウクライナ生まれの米国人、イホル・スシュコは9月14日、過去45日間でロシアの製油所12カ所に対して攻撃が17回行われ、これらの施設の合計の製油能力はロシア全体の42%を占めると書いている。このうち、ロシア中部バシコルトスタン共和国ウファにあり、年間製油能力が2000万tにのぼるとされるノボ・ウファ製油所に対する9月13日の攻撃は、とくに大きな注目を集めた。

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また、ウクライナ無人システム軍のロベルト・“マジャール”・ブロウディ司令官は8月末、同月の2週間だけでロシアの製油量は20%ほど減ったと主張している。

被害は修復可能なのかもしれないし、生産の中断も一時的なものなのかもしれない。しかし、同じ製油所がさらに攻撃されれば被害は拡大する。また、燃料タンクは容易に交換できるとしても、精製設備の大半は輸入品が占めており、制裁の影響で交換が不可能なケースもあるかもしれない。

ロシアにとってさらに憂慮されるのは、攻撃のペースが増すにつれて防空網の効果がますます薄くなっているように見えることだ。

手薄な防空網

ウファの製油所を攻撃するには、ウクライナのA-22フォックスバット軽飛行機改造型ドローンがロシアの領空を1400km以上飛行し、目標に突入する必要があった。この無人機は高速のジェット機でもなければ、ステルス性能も備えていない。にもかかわらず、とくに妨害も受けずに目標まで到達できたようだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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