一方、部下に対して1on1や面談で上司に『本音を話せていない』と感じるかと問うたところ、「本音を話せていないと感じる」「あまり本音を話せていないと感じる」を合わせると58.4%の人が本音で話せない傾向にある。本音で話せていないことによる影響としては、「転職を考えた」「キャリアに不安を持った」などが挙げられている。上司と部下はともに「業務の不安や弱音」「仕事やチームへの改善提案」といった内容について本音で話したいと考えており、コミュニケーションの壁が立ちはだかっている状況だ。

では、部下に対してAIだと本音を話やすいかの問いには、「とても感じる」「少し感じる」を合わせて85.0%が話しやすいと回答した。AIからのフィードバックに対しても、「受け止めやすい」「少し受け止めやすい」を合わせて80.2%が受け止めやすいと回答しており、上司と話すよりもコミュニケーションが取りやすいようだ。

ただ、チームにおいて「上司が担っている機能」はAIで代替できるかという問いに対し、「すべて代替できる」「ほとんど代替できる」を合わせて代替可能と回答したのは26.7%にとどまった。一方、「一部しか代替できない」「ほぼ代替できない」と回答した人は51.6%に上った。全体としては、一部の機能を代替させることは良いという傾向にあるようだ。

人間相手の相談では、感情が絡んだり、聞かれたくないという思いから抵抗感が生まれることがあるが、AI相手ならそうした抵抗がなく、素直に話して的確なアドバイスを得られる。上司と時間を調整する必要がなく、自分の空いた時間に実行できるというのもAIのメリットだ。こうしたメリットを活かしつつ、上司とAIの役割分担を明確にし、仕事に集中できる環境を整えることが、これからの企業経営において問われるだろう。
出典:mento「AI時代の上司と部下の本音調査」より


