問いからイノベーションを生み出す
「良い問いを立てること」のワクワクする側面とは、それが行動に直接つながることだ。ガイ・カワサキは、世界経済フォーラムのために書いた文章の中で、シンプルな問いがビジネスやテクノロジーのイノベーションに直接つながった、さまざまな事例を紹介している。
・アップルは、「政府、大学、大企業に所属しないとコンピューターは利用できないものなのか」という問いから生まれた
・Motorola(モトローラ)は携帯電話を、「こうしたデバイスが可能か」とシンプルに問うことによって発明した
・カメラを搭載し、インターネットに接続できるスマートフォンの普及を受け、「それでどうなる」という問いが繰り返された結果、インスタグラムが誕生した
これらの事例が示すように、最善の行動は、イノベーションの欲求や、変えたいという思いから生まれている。まったく新しいものを創るにせよ、既存のものを新たな方法で使うにせよ、改善方法を見つけるにせよ、正しく問いを立てることで、驚異的な成果を得られる可能性があるのだ。
そのことは、現在AIによって生まれている数々のイノベーションを見るとよくわかる。AIの活用は、人間の可能性を解き放とうとして、「もっと良いやり方はないか?」「もっと効率化できないか?」と問うてきた結果そのものなのだ。
これから数年で、AIと高度なコラボレーションツールによって、問いを立てるプロセス自体が様変わりするだろう。
問いの生成をAIが促進
膨大な業界データで訓練された大規模言語モデルによって、何百、何千という問いをものの数分で生成した上で、新規性、潜在的影響、適合性などでフィルタリングできるようになるかもしれない。
人と機械の協働
人間と機械、それぞれの強みを生かした協働が、実効性のある利用しやすい形で実現する。
動的なシナリオマッピング
「~したらどうなるか」という問いが、市場と顧客に関するリアルタイムのデータに基づいて、ツールで即座にモデル化される。
集合知プラットフォーム
全世界的な人材プールの多様な声が、最高に困難な課題に対して、別の捉え方を提示してくれるようになる。
さあ、問いを立てよう
イノベーションを起こしたいのであれば、問いを立てることから始める必要がある。「問いを立てるマインドセット」を身に付けることで、物事の進め方やその理由に向かいあう方法を再構築できる。それだけではない。「なぜ」「~したらどうなるか」「どうやって」などと問い続けることで、アイデアが明確になる。そして、テクノロジーの助けを借りることで、成功するイノベーションをもたらす行動も明確になるだろう。


