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2025.09.22 12:30

イノベーションの真の原動力、「より良い問い」をどう立てるか

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「良い問いを立てるマインドセット」は、イノベーションにつながる

イノベーションに問いを活用する第1歩は、「問いを立てるマインドセット」の醸成だ。ハーバード・ビジネス・レビュー誌によると、問いは、イノベーションや学習、そしてアイデアの交換を促すことで「組織の価値を引き出す、比類なき強力なツール」だという。

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イノベーターは、現状をそのまま受け入れず、現状を問う。どうすればもっと良くなるのかと考える。ほかにやり方があるのではないかと探る。常に改善の可能性を問うこうしたマインドセットは、何にでも適用されていく。

こうした問いが、どういう枠組みの中にあるかも重要だ。否定や批判、悲観にとらわれた視点からの問いだと、あまりにも簡単に道を間違えてしまう。

どのような問いを立てるべきなのか?

強力な問いは、前提を揺さぶり、創造を促進し、隠れたニーズやチャンスを明らかにしようとする。ナタリー・ニクソン博士によると、イノベーションの問いは、「なぜ(why)」「~したらどうなるか(what if)」「どうやって(how)」という、3つの言葉のいずれかで始めると、うまくいくことが多いという。

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「なぜ」と問いを立てることで、現状に挑戦する。「~したらどうなるか」という問いで、新たな可能性を想像する。そして、「どうやって」と問うことで、イノベーションのアイデアを実行に移す枠組みが得られる。

ニクソン博士は、次のような事例を紹介している。「(医療機器メーカーである)GE Healthcare (GEヘルスケア)のチームは、子どもがMRI(磁気共鳴画像法)検査を受ける時の体験の改善に取り組んだ際に、『どうやってこの機械を改良するか?』から、『検査プロセスで子どもたちの恐怖を減らせるとしたらどうか?』へと、課題を問い直した。問いに関するこうした見事な転換から、「MRIアドベンチャーシリーズ」という部屋が誕生し、幼い患者たちの恐怖が、興奮へと変わった」。

現状の理由を把握する時にも、問いが有効だ。Ansoft LLC(アンソフト)の創業者でプレジデント兼CEOのゾルタン・センデス(『The Objectivist’s Guide to the Galaxy』の著者)は、著作でこう述べている。「究極の答えを探すには、まず『現実においてその概念を生み出しているのは何か?』と問う」。それには、科学が必要だ。つまり、自然界の構造や振る舞いを、観察と実験で体系的に研究することが必要だ。ただ、それだけでは足りない。人間の心と世界の関係に関する理解も求められる。

イノベーターは、すでにある現実を、問いを使ってより深く理解することで、自らの取り組みに影響する諸問題を、より明確に把握できる。

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翻訳=緒方亮/ガリレオ

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