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2025.09.24 08:00

イスラエルの情報機関出身者がAIセキュリティ企業設立、初回調達は96億円

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軍で技術を磨き、Dell EMCを経て創業へ

コレンダーは10代の頃、オンラインゲームや対戦イベントをハッキングしてランキングを操作していた。その後、2000年代半ばにイスラエル国防軍で戦闘機のパイロットを目指したが、うまくいかず、サイバー情報部門に配属され、そこで技術を磨いた。軍を離れた彼女は、テック業界に進み、最終的にDell EMCでITセキュリティ・アーキテクチャチームのリーダー職に就いた。

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コレンダーは2019年、金融ITプロバイダーのDigital Fuel(2011年にVMwareに約8500万ドル[約125億円]で買収された)の共同創業者のギラッド・ラズとヤコブ・コーガンと組んでRemedioを立ち上げた。彼女によれば、会社はほぼ口コミだけで成長を遂げ、その過程でアマゾンやコカ・コーラ、コルゲート・パルモリーブといった大口顧客を獲得してきた。

大手顧客の獲得とAWSアクセラレーター採択

また2024年に当時「Gytpol」と呼ばれていた同社は、アマゾンのAWSとクラウドストライクが立ち上げたサイバーセキュリティ・スタートアップ・アクセラレーターの初年度のプログラムに採択され、ITリスクに対する「真に画期的な」取り組みが評価されてトップ企業に選ばれていた。

ベッセマーのフィッシャーは、Remedioの成功の大部分はコレンダーに帰するものだと語る。「タルこそがこの会社の原動力だ」と彼は述べ、その理由として「強力な技術力と、顧客を説得して味方につける並外れた能力」という稀有な組み合わせを挙げた。

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米国でのマーケティングの強化や新ツール開発に資金を投入

だが口コミだけではもはや十分ではない。同社は、今回の資金を主に米国でのマーケティングの強化に投入し、顧客が優先的に対応すべき脆弱性を検知する新ツールなどの開発にも注力する計画だ。「私たちはただ成長したい。そして指数関数的に成長したい」とコレンダーは語った。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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