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2025.09.19 13:00

YouTubeで爆発的人気、「トランプ揶揄」のAI動画に中国やロシアが関与か

Photo by Andrew Harnik/Getty Images

政治的および金銭的な動機を持っている可能性

これらアカウントの目的は、それぞれ異なるようだ。シェーファーによれば、「メイク・AI・グレート・アゲイン」は中国政府の主張を取り入れている。「Hatim’s Shorts」と名乗るアカウントはバルカン地方のダンス、またアルメニアとアゼルバイジャン間の交渉を題材にしていた。シェーファーは、「米国人が作った動画には見えない」と述べ、背後にいる人物が政治的および金銭的な動機を持っている可能性があると指摘した。「複数の動機が入り混じっていることは珍しくない」とも彼は語った。

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「AI生成のフィクション」を明示しているため、規約違反に該当しない

これら動画は、投稿者が「AI生成のフィクション」であることを明示しているため、YouTubeの規約違反には当たらない。YouTubeは通常、中国やロシア政府が裏で支える組織的な影響工作を排除しているが、広報担当のジャック・マロンは「これらのケースでそのような組織的活動の証拠は見つからなかった」と述べた。ただし、同社は「Cage Carnage」というアカウントを削除した。このページは1億1900万回の再生回数を記録していたが、以前に停止されたアカウントを運営していた人物が再び開設していたことが理由で削除された。

TikTok、Instagramでも爆発的に拡散

これらYouTubeアカウントが共有した多くの動画は、ほかのプラットフォームにも広がっている。TikTokでは「メイク・AI・グレート・アゲイン」「Global Presidents」と同じ内容のアカウントが合わせて1億5000万回近い再生を集め、Instagramのリールでも同様の動画が多数拡散された。TikTokはコメント要請に応じず、メタもコメントを控えた。

YouTubeは、こうした「世界の指導者」の動画が制作者や同社にどれほどの収益をもたらしたのかについて回答せず、また、なぜこれほど多くの利用者に動画をレコメンドしたのかについても説明しなかった。

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このブームの広がりは、偽情報の研究者のシェーファーにとっても予想外だったという。「再生回数の多さには衝撃を受けた」と彼は語った。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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