オンデバイスAIの未来に向けた布石となるiPhone 17 Pro/Pro Max
iPhone 17 Pro/Pro Maxの最大の技術的な特徴は、アルミ製のユニボディとベイパーチャンバーを採用した冷却システムだ。レーザー溶接でアルミニウムシャーシに組み込まれたこのシステムにより、シャシー全体にシステムが発生する熱を拡散し、従来モデルと比較して最大40%の持続性能向上を実現した。
ベイパーチャンバーはヒートパイプとよく似た、技術原理だが、ヒートパイプが点から点へと熱を移動させるのに対し、ベイパーチャンバーは点から面へと広げながら熱を伝えるという違いがある。
チタンの20倍の熱伝導率をもつアルミに切り替わったこともあり、A19 Proチップの熱はシャシー全体に拡散され、本来の性能を長時間維持できるようになる。4K ProRes RAW動画の撮影、複雑かつ長時間のAI処理、高負荷な3Dゲームといった用途で、違いが出るだろう。
しかしこのシャシーに切り替えた真の理由は、今後数年をかけてオンデバイスAIを発展させるための布石と考える方が正しい。従来のProシリーズが持っていた価値の多くをスタンダードモデルに譲渡し、新しい価値観として“パフォーマンスの高さと信頼性”を選んだのは、オンデバイスAIのさらなる強化に向けてのスタート地点と考えられる。
A19 ProのGPUに初めて搭載されたNeural Acceleratorにより、Neural Engineと並行してGPUでのAI処理が行える。スループットそのものは、Neural Engineを用いた場合よりも速い。現状、その実感ができるのはImage Playgroundで、あっという間にイメージが生成されるが、今後はこの新しい性能を元にOSやアプリの開発が進められることになる。
写真の被写体認識、テキストの要約、翻訳処理などをデバイス内で完結させる際に、すばやく高品質になっていくだろう。アップルが目指すパーソナルコンテキストAIの時代に向けて、この方向での進化は欠かせない。実現と成熟にはまだまだ多くの処理能力が必要だからだ。
プラットフォーム一新の意図について触れたが、もちろん従来からの大きな価値であるカメラも改良されている。


