中国は他国との交渉の中でより有利な条件を引き出すために、ゆっくりと粘り強く協議を続ける方法を貫いている。これは「シベリアの力2」を巡る交渉が10年以上も続いたことからも明らかだ。ロシアが天然ガスを販売する欧州市場を失って初めて、中国は同パイプライン敷設計画を進めることに同意した。他方で、同プロジェクトの覚書では、最終的な価格設定方式と資金調達方法の決定を後日に委ねているため、詳細は依然として不透明だ。
中国政府は公式発表で、自国の優位性を強調している。ロシア国営タス通信がこの進展を大々的に報じた一方で、中国国営新華社通信は複数の分野にわたる20件の二国間協力に簡潔に触れただけだった。さらに注目すべきは、中国外務省の郭嘉昆副報道局長が「シベリアの力2」パイプライン建設を巡るロシアとの合意について、確認を拒否したことだ。
従属的な立場に甘んじるロシア
「シベリアの力2」パイプライン建設を巡る合意は、中露関係におけるロシアの従属的な立場を決定的なものにした。これは、毛沢東とヨシフ・スターリンが統治していたソビエト優位の時代の二国間関係の完全な逆転だ。ロシアのエリート層はかつて、東方への進出については極めて慎重な姿勢を見せ、教育、投資、休暇など、あらゆる面で西洋を志向していた。しかし、ウクライナ侵攻に伴う西側の制裁により、そうした道は閉ざされた。ロシアは現在、貿易だけでなく、軍事装備品の部品や外交上の援護についても、中国に大きく依存している。その見返りとして、ロシアは天然資源の取引条件で中国に譲歩し、SCO内で中国が主導権を握ることを容認し、二番手としての地位に甘んじている。
こうした流れは、天然ガスとは無関係の外交政策にも表れている。例えば、中国がロシア国籍者向けに観光ビザ(査証)を30日間免除すると発表したことだ。中国政府はこれを善意の表れと位置付けたが、これは中露関係の不均衡の拡大を示している。ロシアは収益性の低いプロジェクトを受け入れる一方で、中国は自国の観光産業に利益をもたらすビザ免除措置を拡大しているのだ。現在の中露関係は、非対称性が浮き彫りになっている。ロシアは実質的な費用を負担しており、それは最終的に中国の財源を潤すことになるだろう。
SCO首脳会議と「シベリアの力2」建設を巡る合意は、ロシアの外交政策が東方に向かい、中国への依存度を高めている様相を示唆している。事実上、欧州への扉を閉ざされたロシアは中国への片道切符を購入した。だが、中国の関与から等しく利益を得るための十分な影響力、例えばハイテク分野や投資への参加といった形で、それを得るには至っていない。
「シベリアの力2」の敷設は、行き場を失ったロシア西シベリア産天然ガスの販路を確保する可能性があるが、中国向けに輸出することで、大幅な値引きと重い財政負担を伴う。ひいては、ロシアが中国の勢力圏に一層強く結び付けられ、独立した外交政策を維持する能力が低下することにもつながるだろう。


