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2025.09.25 07:15

猛暑のおみやげは「ラテマネー」。小さな買いものも積もり積もれば家計を圧迫

Getty Images

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猛暑の影響で家計にのしかかるのは、電気代と水道代の増加、生鮮食料品の値上がりといった横綱級の負担のほかに、ちょこっとした買いものによる出費の蓄積もある。

たとえばあまりの暑さにコンビニに寄って冷たい飲みものを買う。100〜200円程度のものだが、毎日買えば1カ月で数千円にのぼる。こうした「かくれ出費」が、気がつけば家計を圧迫している。この夏、はたしてどれほどのかくれ出費があっただろうか。

スマートバンクが運営するAI家計簿サービス「ワンバンク」は、同サービスの利用者で2024年の7月と8月、2025年の7月と8月の期間にワンバンクカード決済を行った約25万人分のデータをもとに、去年と今年の夏の決済金額を比較した。それによると、昨年にくらべ、1人あたりのかくれ出費の合計決済金額がいちばん増えたのが「自動販売機」だった。約30パーセントも増加している。

2位は「フードデリバリー」で約10パーセントの増加。3位は「コンビニ」で約7パーセントの増加だった。金額だけでなく、決済回数も同程度に増えていることから、利用頻度も高くなっていることがわかる。

このようなかくれ出費を、経済用語では「ラテマネー」と言う。毎日、何気なく習慣的に買っているカフェラテも、積もり積もれば大きな負担になるということだ。スマートバンクUXリサーチャーの瀧本はろか氏は、今年の夏の平均気温が過去最高を記録したことが、この結果に大きく影響していると話している。自宅から水筒を持って出かけた人も、途中で空になって自販機で買い足す場面が増えたこと、外食や買いものに出かけたくないためフードデリバリーが増えたこと、コンビニが外出先の「ちょっとした避暑地」となり「ついで買い」が増えたことなど、理由を考察している。

「こうした自分の家計に潜むラテマネーを知ることが、賢い家計管理の第一歩」だと瀧本氏は指摘する。大きめの水筒を持ち歩いていれば、7月と8月で1万円近く浮いたかもしれないと考えるとじつに悔しい。来年は気をつけよう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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