フラグシップのProシリーズと同じ、最新のA19 Proチップを載せて、Apple Intelligenceにも対応する。さらには5G通信のパフォーマンスを落とすことなく、デバイス全体の電力消費を効率化するために自社開発のApple C1モデムチップを本機に合わせてチューニングしたApple C1Xモデムチップも載せている。
iPhone AirはiPhoneの新しいシリーズの“初もの”なのだ。振り返れば、アップルの主力製品の初登場モデルは革新的でありながら同時に不便な点も少なくなかった。初代のiPodはWindowsに非対応だったし、2008年にアップルが“世界最薄ノートPC”をうたって発売したMacBook AirはUSB端子が1つしかなく、発売後にも大きな議論を呼んだ。そして2010年にアップルが発売した初代のiPadは、片手で長時間持ち続けることが辛くなるほどに重かった。
もしかするとこの先5年後、10年後には「いまスマートフォンがスリムなのは当たり前だけど、きっかけはあのiPhone Airだったよね」と2025年9月19日を振り返ることになるのかもしれない。
コスパも含めたバランス重視ならiPhone 17
まだ短い時間だが、筆者は発売前に4つの新しいiPhoneをテストした。自分はiPhone Airを購入したが、必ずしも万人に受け入れられるスマートフォンではないと思う。その主な理由はやはり「カメラ」だ。写真・ビデオともに撮れる素材の画質は申し分ない。カメラアプリも引き続きシンプルで楽しいし、フロント側にはより高解像でワイドアングルな写真とビデオが撮れる新しい「18MPセンターフレームフロントカメラ」が載っている。
しかし、筆者は料理や製品レビューの際に被写体のディティールを撮る時によく使う「マクロ写真撮影」に非対応なことに困った。iPhone ProシリーズからiPhone Airに乗り換えると、光学2倍、デジタルでも最大10倍という望遠カメラの限界に突き当たるだろう。「iPhone 17 Pro」で試写してみたが、やはり新機能の光学8倍ズームはとてもいい。動画制作にiPhoneを活用したい方も迷わずProにするべきだろう。筆者はiPhone Airを購入後も、しばらくはiPhone 16 Proをカメラとして2台持ちしようと思う。


