親への対応は「受け流す」のが一番
親と価値観が違うときの対応ランキングも大変興味深い結果が出た。

対処法の1位は「適当に受け流す」だったからだ。以下は寄せられたリアルな声だ。
「話し合ってもどうせ溝は埋まらないので軽く流す(30代 女性)」「若いころは話し合ったが、今は受け流すようになった(50代以上 男性)」
以前は意見をぶつけ合う、説得するという構図があったように思うが、最近は「受け流す」ことが衝突やストレスを避け、関係をふんわりと保つための処世術として機能しているようだ。
2位は「自分の意見を伝える」。「私はいらない、そう思わないと明確に伝える(40代 女性)」「そういう考えもあるけど自分はこうだと示す(50代以上 男性)」など、信頼関係を前提に、意見を伝える人も多いようだ。ただし対立を避けるため、否定よりもスタンスを明示する工夫が見てとれるのが特徴的だ。
3位は「自分のやりたいようにやる」で、親に合わせるより「自分の人生は自分で決める」と割り切るケースも目立った。
世代間ギャップと処世術
4位は「話し合う」、5位は「一旦は聞き入れる」、6位は「親の意見を尊重する」、7位「何もしない」が続く。上位の「受け流す」「自己主張」と比べると、4位以下はより慎重で妥協的な姿勢が多い。話し合いや聞き入れ、尊重といった対応は、衝突を避けつつ関係を保つための「折衷案」だといえる。
親世代と子世代の違いは、単なる家庭の話題にとどまらない。親子間の価値観のズレは、企業の中でも「上司と部下」「新人とベテラン」の関係にも通じるからだ。
価値観の衝突を避けつつ、自分らしさを守るために「受け流す」という姿勢は有効な処世術であり、世代間コミュニケーションにおける新しいスタンダードになりつつあるようだ。


