『アドレセンス』は先週、エミー賞で8部門を受賞し、その中にはリミテッドシリーズ部門の主要な演技賞の数々も含まれていた。しかし、その絶大な評価とNetflixでの膨大な視聴者数という成功を収めたにもかかわらず、この作品は本当に「リミテッドシリーズ」のまま終わるのだろうか。状況は複雑である。
まず、米国時間9月14日に同作品が受賞したエミー賞は以下のとおりだ。
・作品賞
・主演男優賞:スティーヴン・グレアム
・助演男優賞:オーウェン・クーパー
・助演女優賞:エリン・ドハティ
・脚本賞:ジャック・ソーンとスティーヴン・グラハム
・監督賞:フィリップ・バランティーニ
・キャスティング賞:シャヒーン・ベイグ
・撮影賞:マシュー・ルイス
監督賞と撮影賞の受賞は、間違いなく本作の各エピソードが「ワンカット」で撮影されるという、技術的に極めて困難な手法による部分が大きいだろう。こうしたスタイルは業界でもほとんど例がない。
では、『アドレセンス』シーズン2はあるのだろうか。
考慮すべき点の1つは、もしシーズン2が存在するとしても、現在の物語の続きではないということだ。もし実現するなら、別の「10代をめぐる論争や犯罪」が題材になるだろう。もともとの構想はリミテッドシリーズであったが、2025年4月、映画制作会社プランBエンターテインメントの共同社長を務めるディーディー・ガードナーとジェレミー・クライナーはDeadlineに対し、フィリップ・バランティーニ監督と「次の展開」について話していると語った。ガードナーはこれについて、「視野を広げ、この作品のDNAには忠実でありながら繰り返しにはしない」と述べた。彼らはスティーヴン・グレアムとジャック・ソーンにも引き続き脚本に参加してほしい意向を示した。
しかし残念ながら、それは4月時点での話であり、その後数カ月経っても『アドレセンス』シーズン2についてはまったく情報が出ていない。噂すらない。エミー賞のレッドカーペットでのインタビューでも、シーズン2に関する有力な話題は出なかった。そのため、最終的には実現しない可能性もある。
シーズン2は不要だという意見もあるだろう。しかし私としては、アンソロジー形式として新しいキャストと新しい物語を導入しつつ、同じく優れた脚本と撮影手法を維持するのであれば、シーズン2が制作されても不思議ではないと考える。
今回8部門のエミー賞を受賞したことで、『SHOGUN 将軍』のように議論が再燃する可能性もある。『SHOGUN 将軍』はリミテッドシリーズとして数々の賞を受賞した後、主要キャストの半数がストーリー上亡くなっていたにもかかわらず、予定外の2シーズンが制作決定となった。アンソロジー形式であれば『アドレセンス』も同じことを実現しやすいはずだが、現状では新しい情報はなく、この才能あるチームの作品をもっと見たいと思っている人にとっては、やや不安な状況である。



