『大統領の陰謀』や『明日に向って撃て!』などの作品で知られるハリウッドの伝説的スター俳優であり、『普通の人々』などの受賞作の監督、そしてサンダンス映画祭の創設者でもあるロバート・レッドフォードが米国時間9月16日早朝、眠っている間に死去したと彼の広報会社がニューヨーク・タイムズに伝えた。享年89歳であった。
レッドフォードの広報会社であるロジャース・アンド・カワンPMKは、16日の朝にニューヨーク・タイムズや他のメディアに対して彼の死去を報告した。
広報担当者の発表によれば、レッドフォードは16日早朝にユタ州の自宅で亡くなった。声明の中で広報は「彼が愛した場所で、彼が愛した人々に囲まれて」旅立ったと述べた。死因は明らかにされていない。
レッドフォードは1960年代に舞台とテレビの俳優としてキャリアをスタートさせ、『ヒッチコック劇場』『トワイライト・ゾーン』『ペリー・メイスン』といった人気作品に出演した。ハリウッド映画への初出演は朝鮮戦争を描いた1962年のドラマ『戦場の追跡』で、同作品で彼は初めてシドニー・ポラックと共演することになる。ポラックは後にレッドフォードと組み、『大いなる勇者』『コンドル』『追憶』など両者の代表作となる7作品を監督した。
1969年、レッドフォードはジョージ・ロイ・ヒル監督の西部劇『明日に向って撃て!』でポール・ニューマンと共演し、主演俳優としての地位を確立した。その後も、1973年にヒルおよびニューマンと再び手を組んだ『スティング』は、作品賞を含むアカデミー賞7部門を受賞した。1980年には『普通の人々』で監督デビューを果たし、ドナルド・サザーランドとメアリー・タイラー・ムーア主演の家族ドラマでアカデミー賞作品賞と監督賞を受賞した。
その後も『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年公開、ノーマン・マクリーンの中編小説の映画化)や、1950年代のクイズ番組不正事件を描いた『クイズ・ショウ』(1994年公開)など、監督として10本以上の映画を手がけた。俳優としても2019年までハリウッド作品に出演を続け、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアレクサンダー・ピアース役を演じるなど、米国映画界に欠かせない存在であり続けた。



