欧州

2025.09.17 08:00

ロシアがポクロウシク攻略へ最終攻勢の構え ウクライナはドローン要に懸命の防戦

ウクライナ東部ドネツク州ポクロウシクで2025年6月19日、民間人の避難にあたるウクライナ国家警察の「ホワイトエンジェルズ」部隊(Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images)

ウクライナ東部ドネツク州ポクロウシクで2025年6月19日、民間人の避難にあたるウクライナ国家警察の「ホワイトエンジェルズ」部隊(Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images)

昨年の夏、筆者はウクライナ東部ドネツク州ポクロウシク近郊の前線で、ロシア軍がどれほど急速に前進しているのかを目の当たりにした。前線の集落から民間人を避難させているボランティアを現地取材したのだが、数日後には同じ集落がロシア軍に占領されたのを戦況モニタリンググループ「DeepState」のマップで知ることになった。ウクライナ軍はより防御しやすい陣地への後退を余儀なくされていた。

ポクロウシクに関する報道は週を追うごとに暗くなっていった。ウクライナの作曲家ミコラ・レオントビッチが「シュチェドリク」(のちに「キャロル・オブ・ザ・ベル」というタイトルで有名になる曲)を編曲した街であるポクロウシクは、いまや音楽ではなく死と破壊の代名詞になっている。

だが、それから1年以上過ぎた現在も、ポクロウシクは持ちこたえている。これ自体が大きな勝利だ。街は要塞となり、ウクライナの防衛者たちは陥落を防ぐためにあらゆる手を尽くしている。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は9月上旬、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がドナルド・トランプ米大統領に、ドンバス地方(ルハンシク州とドネツク州)を「2〜3カ月、長くても4カ月」で制圧するつもりだと語ったと明らかにした。これはロシアにとってきわめて高い目標である。米紙ウォールストリート・ジャーナルのヤロスラフ・トロフィモフ記者が書いているように、ウクライナの2022年の反転攻勢が停滞した同年11月以来、ロシアが獲得したのはウクライナの全領土の1%にも満たず、代償として数十万人の人員を失っている。

ロシア側は、ポクロウシクを落とせばドネツク州の残りの地域を掌握する機会が生まれると見込んでいる。ウクライナ軍当局によれば、ロシア軍は目下、ポクロウシク方面で「決定的な突破」を狙っており、経験豊富な海軍歩兵部隊を投入している。

ポクロウシク方面でのロシア軍の戦術

8月中旬、ロシア軍は小規模な破壊工作部隊を使って、ポクロウシクのすぐ北に位置するドブロピルリャの東から北東にかけてのウクライナ軍防御線に侵入し、10kmほど前進した。だが、この戦果を固めることはできなかった。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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