欧州

2025.09.17 08:00

ロシアがポクロウシク攻略へ最終攻勢の構え ウクライナはドローン要に懸命の防戦

ウクライナ東部ドネツク州ポクロウシクで2025年6月19日、民間人の避難にあたるウクライナ国家警察の「ホワイトエンジェルズ」部隊(Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images)

ドネツク戦線に配置されている一部のウクライナ軍部隊では、ドローンも不足している。陸軍の第23独立機械化旅団に所属するドローン操縦士、ユーリー・ディムコビッチは窮状をこう訴える。「わたしたちは前線を維持していますが、歩兵は(ロシア側よりも)圧倒的に少なく、ドローンも少なすぎます。倉庫にはFPV(一人称視点ドローン)がほとんど残っていないので、配給制になっています。各班に1日25機までと制限されています」

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ウクライナのボランティアで、大規模な慈善基金の創設者であるセルヒー・ステルネンコは、国の契約で調達されたFPVドローンのうち、最大60%が使用不能か納入後に大規模な改修を要しているとソーシャルメディアで指摘している

また、前線のいくつかの方面のウクライナ兵も筆者の取材に、ロシアのドローン量産能力による圧迫を感じると証言している。ロシアのドローン19機がポーランドの領空を侵犯し、ロシアによるウクライナに対する戦争が始まって3年半以上たってようやく、欧州がこうした脅威の規模を把握し始めたというのは示唆的だ。

ポクロウシクは依然として日々圧力にさらされているが、ウクライナ軍は無人システムを効果的に運用することで、ロシア軍の前進能力を制限している。元英軍人のピナーはこう語る。「ポクロウシクのような都市を攻略するには、たんに部隊を前進させればよいというものではありません。市街戦は過酷で、大きな犠牲を伴います。マンパワー(人的戦力)、装備、そして大量の人的損害を受け入れる覚悟が求められます」

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ピナーは、ロシアがこうした作戦を甚大な人的損害を出し続けずに継続するのは困難だとの見方も示す。「だからわたしは、ポクロウシクが今年陥落するとはみていません。もし陥落する場合もすぐには起こらないでしょうし、その時にはもう都市と呼べるものはほとんど残っていないでしょう」

いまのところ、ポクロウシクの要塞は持ちこたえている。だが欧州は、ウクライナへの支援を拡大しなければ、こうした戦いは、人命が安く、使い捨てにされるロシアに有利に傾いていくということを理解しなくてはならない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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