戦場はドローンによって「透明化」されており、それに砲兵が組み合わされることで、装甲車両による大規模突撃は危険な任務になっている。ピナーは「前線は隅から隅まで常に監視ドローンが目を光らせ、砲兵観測や対砲兵射撃が絶えず行われているので、どちらの側も、気づかれずに動くのはほぼ不可能です」と言う。
ロシア軍は相変わらず「肉挽き機」式の突撃にも頼っていて、兵士を次から次に送り込んでウクライナ軍の防御線を突破させようとしている。突破に成功した兵士は通常、壕に隠れ、陣地を保ち、増援を待つ。その間の補給はドローンによって行われる。ジュルクテンコは「成功するのは兵士100人のうち20人ほどにすぎない。大半は接近中にドローンで排除される」とX(旧ツイッター)に書いている。
ドローンが支えるポクロウシク防衛
ジュルクテンコは、自身のチームは前線から最長20km離れた地点で敵の歩兵部隊や車両をたたき、進撃が始まる前に阻止することに注力していると説明する。「理由は、(接触線に)到達する前の段階でロシア軍部隊の大半を排除できるからです。わたしのチームは主に、前線から15~20kmから離れたところで歩兵部隊や車両を狙います。それらを移動中に攻撃することで、実際の戦場までたどり着けないようにしているのです」
とはいえ、ジュルクテンコによればロシア軍の基本的な戦術はあまり変わっていない。そして、戦場は引き続き無人システムによって形づくられている。
「ロシア軍の戦術に大きな変化はありません。本当に違いを生んでいるのは無人システムです。ドローンは膨大な数のロシア兵とその兵站を除去してきました。これが重要なのは、歩兵同士の直接の交戦を減らすことになるからです。ドローンによる防衛はたんに可能などころか、非常に効果的なのです」(ジュルクテンコ)
ただし、ウクライナ側も補給不足によって圧迫されている。ロシア軍の精鋭ドローン部隊である「ルビコン」は、ポクロウシク─コスチャンティニウカ方面のウクライナ軍の兵站拠点を攻撃し、前線のドローン部隊への補給の遮断を進めている。あるウクライナ兵は英紙タイムズに「ポクロウシクでは兵站戦が繰り広げられている」と語っている。こうした圧力もあり、前線への補給任務でも無人車両を活用し、人間の輸送要員らのリスクを低減する必要性がますます高まっている。


