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2025.09.27 15:15

プロ投資家25人に訊く、不透明な時代に勝つための投資戦略|前編

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伊井哲朗|コモンズ投信 代表取締役社長 兼 最高運用責任者

いい・てつろう◎2008年にコモンズ投信を創業し現職。骨太な長期投資家として知られ、コモンズ30ファンドを中心に多数のアワードを受賞。近年は上場株インパクトファンドのマネジャーとしてメディア出演多数。23年6月より投資信託協会理事を務める。

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担当ファンド|コモンズ30ファンド/ザ・2020ビジョン
基準価額|51,267円/30,856円
純資産総額|704億円/97.4億円
組入上位銘柄|任天堂(5.4%)カドカワ(5.1%)/サンリオ(5.0%)コナミG(4.2%)など

運用方針|【コモンズ30ファンド】「30年目線、30社厳選、対話」をコンセプトに、長期的企業価値の成長に着目。財務指標だけでなく、経営力や企業文化など非財務面も重視し、対話で価値共創に取り組む。社会起業家支援の寄付プログラムも特徴。【ザ・2020ビジョン】「変化」をコンセプトに、変革を始めた企業や挑戦企業へ5~10年視点で投資。環境変化に応じ株式と現金比率を動的調整。障がい者スポーツ支援の寄付プログラムも特徴。

マーケット展望|AI・半導体関連銘柄に注目。投資先企業は東京エレクトロン、ディスコ、アドバンテスト。NVIDIAは足元で最高値を更新し、再び関心が高まる状況。データセンター需要に加え、今後はヒューマノイドロボット開発に不可欠な技術としての需要増加を想定。

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阿部修平|スパークス・アセット・マネジメント 代表取締役社長 ファンドマネージャー

あべ・しゅうへい◎上智大学経済学部卒、米国バブソン大学経営大学院修了、MBA取得。野村総合研究所などを経てNYで独立。1989年にスパークス投資顧問(現スパークス・グループ)を設立し社長就任。HBS AMP修了、国際協力銀行委員も歴任。

担当ファンド|スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド
基準価額|65,938円
純資産総額|47.6億円
組入上位銘柄|MARUWA(5.2%)良品計画(5.1%)ペプドリ(4.6%)など

運用方針|新技術開発や経営革新を進める成長企業や日本社会の構造変革に高い適応力をもつと考えられる企業に注目し、中小型株式を中心に投資を行う。生成AIの普及、世界的な製造業サプライチェーンの再編といった構造的なトレンドや、日本企業のコーポレート・ガバナンスの高度化などを投資機会として意識しながらも、業種ごとの比率にとらわれることなく、原則としてボトムアップ・リサーチに基づき個別企業を選別し、ポートフォリオを構築している。

マーケット展望|2025年下期以降の日本株式市場は底堅い動きになると見る。円安恩恵の一巡や米国関税政策の影響が輸出関連企業の収益を下押しするものの、実質賃金の改善や訪日外国人の増加、企業のIT投資を背景に、内需関連株の業績は好調となると考える。企業の勤怠管理クラウドを手がけるヒューマンテクノロジーズやフリーランスエンジニアを活用したシステム開発に強みをもつINTLOOP等、IT投資拡大の恩恵を受ける銘柄群に期待する。

文=フォーブス ジャパン編集部

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