マーケット

2025.09.27 15:15

プロ投資家25人に訊く、不透明な時代に勝つための投資戦略|前編

Getty Images

安西慎吾|アセットマネジメントOne 国内株式担当ファンドマネジャー

あんざい・しんご◎1998年、旧富士投信投資顧問(現アセットマネジメントOne)入社。2000年から一貫して日本株の運用に携わり、約24年の運用経験をもつ。長いキャリアで培った企業経営者との長期的な信頼関係を武器としたリサーチに定評がある。

advertisement

担当ファンド|One割安日本株ファンド/同ファンド(年1回決算型)
基準価額|27,973円/32,471円
純資産総額|275.92億円/193.56億円
組入上位銘柄|三菱UFJ(5.6%)東京海上(4.4%)ソニーG(4.1%)など

運用方針|配当利回り、PBR、PERといった株価指標に着目して割安銘柄を選別し、相対的に高い配当収入と値上がり益の獲得を目指す。株価上昇の契機となる「カタリスト」の特定によってリターンを追求。外部環境の変化(政策、技術革新、社会構造など)によるマクロ要因と、資本効率や収益性の改善といった企業内部のミクロ要因に分類。市場環境と企業の徹底的な分析を通じ、先んじてカタリストをとらえることで、有望銘柄の発掘に取り組む。

マーケット展望|今後の国内株式市場は、ボックス圏での推移を想定。米国の関税政策を巡る不透明感が続くなか、景気や企業業績の動向を見極める局面が続く見通し。政策面では、インフレ対応による金融政策の転換、地政学リスクや関税政策を背景とした防衛力強化、経済安全保障策の進展に注目し、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行株の業績改善や、造船を含む国内製造業の投資拡大に期待。自社株買いや増配などを通じて資本効率の改善に取り組む企業にも着目。

advertisement

真木喬敏|ありがとう投信 ファンドマネージャー

まき・たかとし◎板前&米国の大学院を卒業後、JPモルガン証券、モルガン・スタンレー MUFG証券、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、大学非常勤講師などを経て、2016年4月より現職。米国公認会計士試験全科目合格。調理師免許保有。

担当ファンド|ありがとうファンド
基準価額|37,834円
純資産総額|247.9億円
組入上位銘柄|

運用方針|外国株式を主軸に、金ETFなども組み入れた資産複合型ファンド。世界株式市場に広く分散投資させ、株式市場とは異なる値動きを示す金ETFを活用し、世界経済成長を株価で享受しつつ、ダウンサイドリスク抑制を目指す。日本有数の独立系直販運用会社で、運用と販売をワンストップで提供可能な点が強み。積立投資や定期換金サービスなど多様な買い方・売り方を通じて顧客リスク許容度に応じた資産形成を包括的かつ長期的にサポート。

マーケット展望|足元の投資環境は、トランプ関税の動向やウクライナ・中東情勢など地政学リスクの顕在化による不透明感の増大が特徴。こうした環境には、金ETFの継続保有で対応。当ファンドは7年以上前から米国籍金ETFへ長期投資し、6月末時点で約15%の保有率。地政学リスクへの対応としては、中国株式市場のエクスポージャー削減も実施。経済的な重要性は認めつつ、流動性リスクや台湾有事を想定し、中国株の保有を低位に維持している。


次ページ > イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)

文=フォーブス ジャパン編集部

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事