欧米には昔から“Jacket Required”というドレスコードがあるように、男性にとってジャケットは周囲への尊敬と礼節を体現する必須の服である。そして成熟した男性の装いに不可欠な、知的さを象徴する服といっても過言ではないだろう。“英国調”や“クラシック”がキーワードとなる2025年秋冬。より重要性が増すジャケットを知的に、そしてエレガントに着こなさないテはない。
技と光が織りなす無二の美しさを堪能
カウボーイバンダナのペイズリー柄とダミエ・パターンからインスパイアされた複雑なパターンを、同色のジャカード織りで全面にあしらった、シングルブレステッドのイブニングジャケット。ウールサテン生地ゆえ上品な艶があり、光の加減で凝ったパターンが浮かび上がって無二の表情を演出する。全体の色使いをモノトーンに絞り、艶やかな柄を引き立てるのが正解。ボトムスはホワイトのフレアジーンズで、存在感あるトップスとのバランスを整えたい。
独自の設計による軽快ジャケットの価値
ブルネロ クチネリが編み出した前合わせ「ワン&ハーフ・ブレスト」により、ボタンを外しても浅めの合わせのバランスが良く、軽快に着こなせるジャケット。ブラウン基調のグレンチェックはウールにアルパカとシルクをブレンドし、非常に軽量かつ滑らかな肌触りが味わえる。ボタンを外したジャケットの軽やかさを引き立てるべく、知的な印象もあるホワイトのカーディガンはタックインしたい。ブラウンと好相性なアマランスカラーのパンツがベストマッチだ。
繊細な色合わせで優しげな雰囲気を演出
グレーがかった淡いグリーンがベースのチェック柄ジャケットは、抑えた発色で着やすい表情。カシミアをベースにモヘアをブレンドした上質な生地であり、特殊な技術によって柔軟かつ豊かな風合いに仕上がっている。カシミアの混紡率が高いゆえ、保温性も申し分ない。グリーンとのコーディネイトが新鮮なベージュのシャツとタイを合わせることで、優しげで知的な雰囲気に。なお、チェックシャツをチェックジャケットに合わせる際は、柄のピッチでメリハリをつけると収まりが良くなる。
@矢口書店
創業は大正7(1918)年と実に1世紀以上もの歴史を誇る矢口書店は、映画や演劇、戯曲などの関連書籍、パンフレット、ポスターなどを専門に扱う、神田神保町でも稀有な古書店。店内だけでなく、外壁に設らえた書棚にもびっしりと希少な古書が収められた様子は、古書街を象徴するランドマーク的な風景となっている。また昭和3(1928)年に建てられ、戦前から店舗を構え続ける重厚な建物も長い歴史を感じさせ、古本を探しているとまるでタイムスリップしたかのような錯覚を起こす。
住所/東京都千代田区神田神保町2-5-1 Tel:03-3261-5708 営業時間/10:30〜18:00(日曜・祝日11:30〜17:30)定休日/なし(年末年始を除く)
現代に甦る知的な元祖マルチジャケット
かの建築家ル・コルビュジエの「オフィスからディナーへ着たまま行ける、軽く動きやすいジャケット」という注文を受け、パリ左岸の老舗テーラーが考案したジャケット「フォレスティエール」を独自にアレンジ。程よいカジュアル感のなかに天才建築家の知性がにじむ。セットアップになったダークブラウンのシャツとパンツなど、ダークカラーを合わせると都会的な雰囲気で着こなせる。



