みんな大好きなポテトサラダだが、地域によって味付けが異なることがキユーピーの調査でわかった。そこには地域性や歴史的背景があり、ポテサラは日本の味覚文化の指標とも言えそうだ。
キユーピーは、惣菜の製造販売を行うグループ会社デリア食品と共同で、ポテトサラダの地域性を調査した。北海道、東北、首都圏、中部、関西、九州の6地域で販売されているポテサラ10点ずつ計60点を集め、その風味の分析を行い、地域ごとの分析データの平均値をグラフ化した。結果は以下のとおり。

北海道:味の強度が強く、食事の嗜好性と合致。
東北 :酸味が低く、調味料主体の味付け。旨味が強く酸味の強度が低下したたと推察。
首都圏:塩味と旨味が強い。合わせ調味料の消費が多く、塩味の強い食事の嗜好性と合致。
中部 :旨味と酸味がやや強く塩味が低い。食塩の消費量が少なくマヨネーズが多いため、塩味が弱く酸味が強くなったと推察。
関西 :塩味以外の味の強度が低い。出汁や薄口醤油のやさしい味付けの嗜好性と合致。
九州 :酸味が強く甘味が低い。甘味が好まれる食事の嗜好性とは合致しない。
これらの文化的背景を、キユーピーはこう解説している。
北海道はどの調味料も消費量が多く、すべての味が強い。それは、開拓時代に手軽に調理やエネルギー摂取ができる食事を好んだため。
東北は砂糖以外の調味料の消費量が多い。厳しい冬を乗り越えるために保存性の高い料理が発達したため。砂糖は贅沢品だった。
首都圏は調味料の消費量は少ないが、合わせ調味料(マヨネーズ、ソース、めんつゆなど)の消費金額が多い。濃い口醤油とカツオ出汁の塩味が効いたしっかりした味付け。保存性も重視。
中部は食塩以外の調味料、なかでも砂糖の消費量が多い。大豆を使った味噌やたまり醤油などが発達し、強い甘味や旨味が好まれる。
関西はどの調味料も消費量が少なく、素材の味を活かした味付けが主体。商人町で生活が質素だったため。
九州は砂糖を除く調味料の消費量は少ないが、合わせ調味料は多い。甘口醤油やザラメの甘味、あご出汁の旨味が強い。貿易で砂糖が容易に手に入り、それを使った調味料が発達した。
デリア食品は「ポテトサラダマジック!」というポテサラ専用サイトで、レシピなどポテサラに関するさまざまな情報を提供している。ちなみに、10月10日はポテトサラダの日だそうだ。Potetoの「teto」が1010に見えるという少々強引な意味付けだが、この日に向けて、研究や販促を通じてポテサラのおいしさや楽しさを伝えていくということだ。



