Apple Watchが睡眠の質を採点する
もう1つ、watchOS 26の睡眠アプリに「睡眠スコア」という機能が新しく加わる。Apple Watchを身に着けながら計測した過去のすべての睡眠データにもスコアが付与される。watchOS 26に対応するすべてのApple Watchで使える機能だ。
睡眠スコアはApple Watchを身に着けて眠るたびに記録される。目的は睡眠の質を知り、生活習慣を改善すること。スコアを分解すると、主な指標として「睡眠時間」「就寝時刻の規則性」「睡眠の中断(目が覚める頻度)」の3つがわかる。iPhoneやiPadのヘルスケアアプリに加わる「睡眠スコア」のセクションから、過去のスコアと時間軸の推移をグラフも確認できる。
睡眠をスコア化しながら継続的に記録すれば、自身の睡眠の質がわかり、ひいては体の回復を促せるとアップルは提案している。ただ、筆者の経験からすると、まず睡眠トラッキングを長く続けるためには何らかの実感できる生活品質の改善か、あるいはゲーム的な要素が必要だ。アップルはApple Watchなどのデバイスが計測したヘルスケア関連のデータに脚色を加えることなく、そのままユーザーに提示することにこだわってきた。睡眠スコアも同様だ。「データをスコア化」しただけでも大きな前進とも言えるが、せっかくの数値に「意味を与える」ことにも踏み込んでほしいと思う。例えば少し視点を変えて「回復度」としてスコアを解釈すれば、Apple Watchをフィットネスに活用するユーザーが興味を持つと思う。
例えば睡眠トラッキングをゲーム化した「ポケモンスリープ」のような外部デベロッパのアプリもある。筆者は以前、このアプリのデベロッパに取材したことがある。ポケモンスリープはスマートフォンがあれば睡眠トラッキングに利用できるアプリだが、2024年9月にApple Watchなどスマートウォッチを併用できる機能を追加したところ、スマートウォッチを併用するユーザーによる睡眠計測の継続率が高いことが調査により判明したという。アップル公式の「睡眠スコア」機能にも、今後ますますの発展を期待したい。
新しいApple Watchはなぜ5Gに対応するのか
新しい3つのApple Watchには、5Gによるセルラー通信機能が搭載される。日本でApple Watch向けの5G通信サービスを提供するキャリアはNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社だ。ユーザーが現在利用する4G LTEベースのプランを、新しいApple Watchに導入して使うことも可能だ。


