著作権侵害を告発したバラジ、NYT訴訟の重要証人となる直前の死
バラジは、2024年10月のニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の取材で、「OpenAIが著作権のある資料をモデルの訓練に使っていることを懸念して8月に退社した」と語った。ChatGPTの訓練データに使われるコンテンツの調査に携わっていたバラジは、同社の著作物利用が連邦著作権法で認められる範囲を超えていると考えており、「AIの利用によって元の創作物やビジネスの商業的な価値が損なわれれば、結果的に社会に悪影響を及ぼすことになる」と語った。
「この取り組みは、インターネットのエコシステム全体として持続可能なものではない」とバラジはNYTに述べ、自身がOpenAIを去ったことに関して、「私と同じ信念を持っている人であれば、会社を去るしかない」と語った。
バラジはさらに、自身のウェブサイトに公開したエッセイで、ChatGPTが連邦著作権法を順守していないとする主張を詳しく説明した。NYTはOpenAIを著作権侵害で訴えていたが、その裁判において、バラジは重要証人になる可能性がある人物として、死の数日前に提出された法廷文書に名前が記されていた。
OpenAIはいかなる著作権侵害も行っていないと主張しており、同社の外部資料の利用は連邦著作権法における「フェアユース」に該当すると述べている。同社はNYTに対して、「私たちは公開されているデータを用い、フェアユースや関連する原則に基づいてAIモデルを構築している。この枠組みは長年にわたり広く受け入れられてきた法的先例に裏付けられている。クリエイターにとっても公正であり、イノベーションのために不可欠であり、米国の競争力を守るうえで極めて重要だと考えている」と述べていた。
独自の調査を続ける母親、3Dでの「犯罪の再現」を計画
バラジの母親は、息子の死に関する独自の調査を続けていると示唆している。彼女は調査の継続のためにソーシャルメディアで資金を募っており、8月にXのアカウントに投稿した動画で、専門家を雇い、バラジのアパートを「犯罪の再現」のために3Dで再構築する計画を明らかにした。さらに11日には、アルトマンの発言を受けて自身のポッドキャストを配信する意向も示した。
イーロン・マスクの関与と、OpenAIとの根深い対立
マスクのバラジの死に関するコメントは、彼とアルトマンやOpenAIとの確執を背景にしたものだ。マスクはかつて、アルトマンと共にOpenAIを創設したが、数年後に離脱。その後、両者の関係は悪化し、互いを罵倒する発言や訴訟合戦、それぞれが率いるAI企業のテクノロジーの対立に発展した。
OpenAIは現在、Xやテスラと競合するSNS事業や自動運転技術のプロジェクトを進めており、アルトマンはマスクのNeuralink(ニューラリンク)と競合するブレイン・コンピューター・インターフェース企業Merge Labs(マージラボ)を支援している。一方マスクは、OpenAIを離れた後にxAI(エックスエーアイ)を設立し、ChatGPTの直接のライバルとなるxAIのチャットボット「Grok」を発表した。
カールソンはインタビューの中で、アルトマンにマスクについての見解を尋ねた。アルトマンは、かつてのテスラCEOを「信じられないほどの英雄であり、人類にとっての偉大な宝」と見ていたが、いまは「異なる感情を抱いている」と語った。「彼には素晴らしい点があり、彼のしてきた多くのことに感謝している。しかし、私が称賛しない特徴も数多くある」とアルトマンは述べた。
アルトマンはまた、マスクが自分が去った後のOpenAIが成長を続けたことに「怒りを覚えるのも無理はない」と語った。彼によればマスクはかつて、「OpenAIが成功する可能性は0%だ」と告げたという。「その後、彼は競合するクローンのような企業を立ち上げて、私たちを妨害しようと訴訟を起こしたり、あれこれしている」とアルトマンは述べた。


