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2025.09.15 21:00

【レビュー】アップルがAirPods Pro 3で挑む「ライフスタイルイノベーション」

アップル・AirPods Pro 3

具体的には目の前にいる話者の音声のみを複数マイクの情報から分離し、それをリアルタイムにテキストに変換。iPhone内部で翻訳した上でユーザーの耳に届ける。

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その上で自分の話した言葉は相手とは別に分離してテキストにした上で、iPhoneの画面上で翻訳したテキストが表示される。もちろん、iPhoneのスピーカーからそれを相手の言語で読み上げることも可能だ。

さらに相手が同じようにライブ翻訳の環境があれば、まるで同じ言語を話す相手のようにコミュニケーションできる。携帯電話の電波やWi-Fi接続がない環境でもオンデバイスで機能するため、旅行先での利用に特に威力を発揮するだろう。

体験してみると、多少の間違いもあるものの、AI翻訳によって全体の文脈を理解した自然な会話が成立するのに驚かされる。単語単位ではなく会話全体を追いかけてくれるのだ。またアクティブノイズキャンセリングが相手の声の音量を下げ、翻訳に集中しながらも自然な対話を維持できる。

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ラテン語系の言語同士のライブ翻訳では、想像以上に遅延も少なく、さらに翻訳の遅延があることを両者が意識していれば十分に会話を楽しむことが可能だ。

また日本語のベータ版も試すことができた。語順がラテン語系とは異なるため、文脈が確定するまでの遅延は長くなるものの、ゆっくりと丁寧に話せばしっかりとコミュニケーションできる。正式版として提供されるのがとても楽しみな機能である。

イヤーピース見直しで改善されたフィット感

AirPod Proそのものの体積をより小さくすることで、従来なら耳と干渉していた人も当たらなくなったほか、上記した新開発のフォームインフューズイヤピースは5サイズ(XXS、XS、S、M、L)が同梱されるようになった。

新しいサイズの場合、筆者はMサイズからSサイズに心地よいイヤーピースが変化。耳道に当たる部分の内側に発泡フォームがあるため、やや硬めの当たりを感じるが、サイズや形状(耳道に合わせた楕円形)の最適化でフィット感は確実に上がっている。

耳道の自然な形状に合わせて再設計されたデザインは、より耳の中で安定しており、ランニングやジムでのワークアウトで安定した装着感がある。

AirPods設定の装着テストを活用することで、最適なサイズを簡単に見つけることができるのは従来と同じ。このテストでは、音だけではなく後述する心拍センサーの働きもチェックすることが可能だ。

AirPods Pro 3とその同梱品、イヤピースは5サイズ
AirPods Pro 3とその同梱品、イヤピースは5サイズ
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編集=安井克至

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