キャリア

2025.09.18 14:00

上司の「静かな退職」を見極める、7つの兆候と部下が身を守る方法

Shutterstock.com

Shutterstock.com

従業員が必要最低限の仕事しかしない「静かな退職」について、聞いたことがあるだろう。米ギャラップ社の調査によると、「静かな退職」中の人は米国の労働人口の少なくとも50%を占めているが、 もう1つ厄介な傾向が現れている。それは、管理職がリーダーとしての責務を放棄するというものだ。

問題は個々の従業員だけでなく、リーダーシップそのものにも及んでいる。世界の従業員エンゲージメントは2024年には21%まで低下し、中でも管理職で落ち込みが最も大きい。チームの仕事に対する熱意の7割はマネジャーに起因するため、これは特に由々しき事態を生み出している。

この記事では、上司が「静かに退職」していることを示す7つの兆候と、それに対してあなたができることを紹介する。

1. 定期的な1対1ミーティングをやめた

上司はかつてあなたの状況を聞く場を毎週設けていたが、対面で有意義な話をしなくなって数週間が過ぎている。会っても話し合いは急ぎ足で表面的なものになり、かつてのような深みがない。あなたの成長やキャリア目標、広範な戦略的思考よりも、タスクの更新や目先の成果物に焦点が移っている。

注目すべきポイント

・予定していた1対1ミーティングを、繰り返しキャンセルあるいは延期する
・ミーティングは、いつも10分もかからず終わる
・やり取りが、議論ではなく現状報告のようになっている

あなたにできること

定期的なミーティングを要望して、自発的に行動する。静かに退職している上司に再び仕事に情熱を傾けるよう強制することはできないが、有意義な対話の機会を作ることはできる。事前に簡単なアジェンダを送り、進捗状況や抱えている課題、質問を強調する。ギャラップの調査では、「管理職として成功するために身につけるべき条件と習慣は、各チームメンバーと週に1回、15~30分程度の有意義な話し合いをすること」だと示されている。上司がこのような話し合いを始めようとしないなら、あなたが始めればいい。

2. フィードバックや評価をほとんどしない

静かに退職している上司は、部下の成長にエネルギーを注ぐことをやめてしまう。あなたの功績を認めたり、建設的なフィードバックをしたり、あるいは改善点を指導したりすることはほとんどないことにあなたは気づく。上司の対応は平凡なものになり、あなたの仕事への真の関与を示す要素に欠ける。このような仕事に対する意欲の低下は悪循環を生む。62の研究についてのあるレビューで、チーム全体の「静かな退職行動」の半分近くが、フィードバック不足やマイクロマネジメント、取り組みの認識不足といったリーダーシップの欠陥に起因することが明らかになっている。

注目すべきポイント

・具体性のない「よくやった」「大丈夫そうだね」といった一般的な返答をする
・あなたの仕事ぶりが期待を上回ったり大きな節目に到達しても、それを認めない
・業績に関する話し合いを避けたり、あいまいな評価をする

あなたにできること

やる気をなくしている上司を相手にする場合、積極的なコミュニケーションが不可欠となる。目標の達成を文書にまとめて積極的に共有する、自分の成果についての簡潔なまとめを毎週作成し、上司に送るなど。こうすることで、上司はあなたの功績を認めやすくなり、あなたの貢献が気づかれないこともなくなる。「このプロジェクトの成果を向上させるために、他にできることは何か」など具体的な質問をする。

次ページ > 決定や責任を回避する

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事