イスラエルが9日、カタールの首都ドーハでイスラム組織ハマスの政治指導部に対して行った前例のない空爆は、ここ3カ月足らずの間にカタールの領土が地域の大国から受けた2回目の攻撃だった。それはまた、カタールが過去10年、こうした攻撃を抑止・防御するために、高度な戦闘機や防空システムをはじめとする兵器を大量に取得し、自国の軍隊を強化してきたあとの出来事でもあった。
イスラエル軍は、ドーハでハマスの高官らに対して「精密弾薬」を用いた「精密攻撃」を実施したと発表した。イスラエル軍の戦闘機少なくとも15機が出撃し、1つの目標に対して弾薬10発を発射した。イスラエルメディアによると、イスラエルからおよそ1800km離れた場所でのコードネーム「火の頂き(ファイア・サミット)」作戦には、ドローン(無人機)も参加したという。
ハマスは、この攻撃でハマス高官のハリル・ハイヤの息子を含む5人が死亡したと認める一方、ハイヤ本人やザヘル・ジャバリン、ハレド・メシャルら高官はひとりも殺害できなかったとしている。イスラエルの駐米大使はFOXニュースの番組で、今回の攻撃で殺害できなかったハマス高官は「次回」殺害すると語った。
当然のことながら、カタールの指導部はこの攻撃に激しい怒りをあらわにしている。カタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相は攻撃を「国家テロ」を非難し、「このあからさまな攻撃に対応する権利を留保する」と表明した。
ムハンマドは9日夜の記者会見で「われわれは本日、重大な局面を迎えたと認識している」と述べ、「こうした野蛮な軍事行動には地域全体で対応をとらなければならない」と訴えた。
中東の衛星放送局アルジャジーラによると、カタールは国際法の範囲内で対応するために法律委員会を設置し、地域内外の同盟国やパートナー国と協議していくことにしている。
カタールが軍事的な対応や報復を試みる可能性は低い。たしかにカタールは小国にしては相当な規模の空軍を構築しており、資金力にものを言わせて最先端の西側製4.5世代戦闘機を数多く揃えているものの、イスラエルがそれらを自国領空に到達する前に迎撃できるのは疑い得ない。
カタールは中国製のSY-400(神鷹400)短距離弾道ミサイルも保有していて、2017年に公開しているが、このミサイルはイスラエルを攻撃するには射程が足りない。



