カタールは6月、イスラエルとイランの十二日戦争の終盤に、イランから事前通告を受けたうえで、米軍が駐留する広大なアル・ウデイド空軍基地を攻撃されており、域内の外国による攻撃を受けるのは3カ月弱で2回目だった。カタールは現在、自国の装備調達や抑止戦略に疑問を抱き始めているかもしれない。
カタールは2017年6月にサウジアラビア主導の封鎖に遭った際、圧倒的に軍事力に劣っていた。当時、カタール軍が保有していた作戦機はフランス製のダッソー・ミラージュ2000戦闘機12機とアルファジェット軽攻撃機6機だけであり、地上戦力も、同じくフランス製の古いAMX-30戦車30両にとどまっていた。もし、より大規模で先進的なサウジアラビア軍がカタールに侵攻していれば、カタール側は、クウェートが1990年8月にサダム・フセイン大統領率いるイラクから侵攻を受けた際に行ったような、不首尾に終わった抵抗すらできなかっただろう。
だが、2020年に封鎖が解かれた時には、状況は大きく変わっていた。カタールは西側製の軍事ハードウェアを買いあさり、4.5世代戦闘機であるボーイングF-15QA、ダッソー・ラファール、ユーロファイター・タイフーンを計100機近く発注したほか、ドイツ製のレオパルト2A7+主力戦車も購入した。加えて、現在のカタールはAH-64Eアパッチ攻撃ヘリコプターやパトリオット・ミサイル防衛システムも保有している。
イランによる6月の弾道ミサイル攻撃の際には事前に警告を受けていたので、カタールはF-15QAとアパッチを緊急発進させ、ドローンなどに対する継続的な戦闘空中哨戒(CAP)を行うことに成功したほか、全土でパトリオットも稼働させた。その夜、ドローンは飛来しなかったが、カタールと米軍のパトリオット部隊は、イランによるアル・ウデイド空軍基地に対する限定的でおおむね象徴的な意味合いのミサイル攻撃の迎撃に成功した。
一方、イスラエルによる9日の攻撃はこれと違い、カタール側は不意を突かれたようだ。イスラエルの戦闘機やドローンがどの方角から飛来したのかすら判然としない。イスラエルは6月の戦争中に繰り返し行ったように、再びイラク領空を利用した可能性は当然ある。
いずれにせよ、カタールは大規模で先進的な軍備を整えていたにもかかわらず、イスラエルの攻撃を抑止することも妨害することもできなかった。これはカタールに駐留する外国軍も同じだった。


