テクノロジー

2025.09.16 10:00

マッキンゼー、2026年に向け「13のテックトレンド」をビジネスリーダーに解説

Thawatchai Chawong / Getty Images

Thawatchai Chawong / Getty Images

エンタープライズ向け人工知能(AI)の各側面をどう分類すればよいのか、より的確な見取り図を得るにはどこを参照すべきか。

一般に、経営者やテック系記者、AIの大きな変化を追いたい人々は、大手コンサルティング会社の見解に目を向ける。ガートナー、デロイト、アクセンチュア——いずれもITの大手であり、巨大言語モデル(LLM)が実に驚くべきことを成しうると知った私たちが、デジタル革命をどう受け入れるかについてのリソースを提供している。

マッキンゼーが「エンタープライズAIの13側面」を提示

ここに加わるのがマッキンゼーだ。今夏に発表された調査「Technology Trends Outlook 2025」が、かなりの注目を集めている。

この広範なレポートの筆者陣が掲げる骨子は次のとおりだ。

「世界のテクノロジーの地勢は大きく転換しつつある。技術における急速なイノベーションが牽引力となり、計算能力への需要を指数関数的に押し上げ、経営陣や一般の関心を集め、実験を加速させている。これらの動きは、各国や企業が戦略的技術の生産と適用で主導権を握ろうと競い合う、激化する国際競争という背景のもとで進行している」。

これを受け、レポートの筆者たちは、スマート技術の当たり年である今年の終盤に向けて、エンタープライズAIの13の側面を提示した。彼らはこれを「baker's dozen」(パン屋の1ダース。英語で「13」を意味する俗語)と呼ぶが、呼び名はどうあれ、現在の経営者にとって必読だと指摘する。以下がその一覧である。

1. エージェント型AI(Agentic AI)

今日のAIは、まさに「エージェント」一色である。私たちは、約4年の歴史を持つ生成AIの全体的な軌道だけでなく、テキストベースのLLMが事実を反芻する段階から、AIがますます主導権を握って「物事を実行する」エージェント型アプローチへと急速に転換するのを目の当たりにしてきた。

マッキンゼーの筆者は「汎用的なエージェント基盤から、深いリサーチに特化したエージェントに至るまで、顕著な進歩が登場している」と述べ、この現象の背後にあるゲーム理論もほのめかす。それは、昨日までのサイエンスフィクションを現実のように見せる。

2. 人工知能(Artificial Intelligence)

AIに関する13のトレンドの中に「人工知能」を挙げるのは、自己言及的に見えるかもしれない。

そこで全体像を少し描くために、マッキンゼーの筆者らが現在のAIの軌跡について投げかける問いを示す。

「来年を見据えると、いくつかの重要な問いが浮かぶ。モデルの推論コストの低下や小型・特化型モデルの爆発的増加は、AIへのアクセスと便益を引き続き再構成するのか。組織が実験段階から本格採用へと移行する競争の中で、どの企業戦略が最大の価値を解き放つのか。そして、イノベーションが加速するなか、倫理・透明性・ガバナンスといった責任ある実践を、ビジネスと社会への急速なAI統合に歩調を合わせてどう確保するのか」。

これは本調査の一部として有用な、AIタイムラインへの焦点を示す。

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翻訳=酒匂寛

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