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2025.09.15 13:00

ラリー・エリソンとは何者か? 年齢を感じさせないAI億万長者の「8つの事実」

drserg / Shutterstock.com

3.スティーブ・ジョブズとの冒険

シリコンバレーのテック界の巨人であり、ウッドサイドの近隣住民でもあったエリソンとスティーブ・ジョブズは親友だった。エリソンは2人の親密な関係についてたびたび語っており、ジョブズが『トイ・ストーリー』を完璧に仕上げるために73もの異なる版を見せて意見を求めたことを回想している。これは、ジョブズがアップルを解雇された後にジョージ・ルーカスから1000万ドル(約14億7700万円)で買収したアニメーションスタジオ、ピクサーの初の長編作品である。ジョブズは後にピクサーをディズニーに全株式による取引で74億ドル(約1兆927億円)で売却し、当時のディズニー最大の株主となった。

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エリソンは、ジョブズが追放された後に復帰できるようアップルを買収することまで申し出たが、ジョブズはこれを断り、先進的なOSを備えた自身のスタートアップ、NeXT(ネクスト)を売り込む形でアップルの取締役会を説得して復帰する道を選んだ。1997年、ジョブズはCEOに復帰し、エリソンはアップルの取締役に就任した。

4.AIへの賭け

2011年にジョブズが膵臓がんで亡くなった後、エリソンは疾病研究への資金提供を強化し、2016年には南カリフォルニア大学(USC)に2億ドル(約295億3200万円)を寄付してEllison Medical Institute(エリソン医療研究所)を設立した。最近ではオックスフォードにEllison Institute of Technology(エリソン技術研究所)を立ち上げ、総額12億5000万ドル(約1845億8000万円)のコミットメントと、免疫系のマッピングのようなプロジェクトを掲げている。さらに、精密腫瘍学のスタートアップであるImagene AI(イマジーンAI)のシリーズBラウンドを主導した。

彼の主要なAI投資は一貫してオラクルであり、時間をかけて持ち株比率を倍増させてきたが、それ以外にも注目すべきテック投資を行ってきた。1999年にはセールスフォースにシード資金を提供し、2018年にはテスラに投資して取締役に就任、その後マスクのツイッター買収を支援した。活動を停止したヘルステックの血液検査スタートアップ、Theranos(セラノス)にも初期から投資していた。

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5.ハワイの買収

2012年、エリソンはドール・フード・カンパニーのCEOで、不動産持株会社Castle & Cookeのオーナーでもあるデヴィッド・マードックから、ハワイのラナイ島の98%を購入した。ブルームバーグによると、買収額は3億ドル(約442億9800万円)で、そこには彼とジョブズがよく一緒に休暇を過ごしたFour Seasons Lanai(フォーシーズンズ・ラナイ)も含まれていた。

このリゾートは現在、エリソンのウェルネス・リトリートのSensei(センセイ)を運営しており、AIを用いてパーソナライズされた計画の提示、インサイトの提供、サーマル・ボディマッピング(体温分布測定)を用いたマッサージのような施術のカスタマイズを行っている。このプログラムは、USCの生物医学研究者で、エリソンとともにSensei Way(センセイ・ウェイ)という、年齢を感じさせないこの億万長者が実践するウェルネスの原則を策定したデヴィッド・エイガス医師と連携して開発された。エイガスはUSCのエリソン医療研究所の創設CEOでもある。

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翻訳=酒匂寛

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