恋人との関係を緊張させるのは愛や相性の欠如ではないことが多い。目標を追い求めつつ、責任を果たし、関係を強固に保つその間で人生が絶え間ない綱引きのように感じられることがある。相手のことを愛しているだけに、相手のために時間を割くということが、人生が求める別のタスクのように感じられ始めることもある。
実際のところ、健全な恋愛関係であれば消耗するという意味での「仕事」と感じる必要はない。だが関係を優先させるためにはある種の努力が必要だ。意識しようとすることで、何気ない瞬間にもつながる余地が生み出される。自分のニーズを犠牲にすることなく、理解されているとパートナーが感じられるようにすることが重要だ。
過剰な犠牲は憤りにつながることが多く、一方は消耗を感じ、もう一方は罪悪感を感じることを覚えておきたい。バランスをとるには、一致点を見い出し、自分らしさを尊重しながらつながりを保つ小さな方法を見つけることだ。
これは「パラレルプレイ」というシンプルなスキルを実践することで達成できる。
パラレルプレイは児童心理学で確立された概念だ。幼少の発達段階において子ども同士が隣り合って座ったり遊んだりすることを指す。だが、子どもたちはそれぞれ自分の活動に没頭している。直接やり取りしたり、共通の目標に向かって一緒に取り組んだりはしないが、それでも互いの存在に心地よさを感じる。
興味深いことに、この原理は大人の恋愛関係においても大いに役立つ。幼児が常にやり取りしなくても互いの存在に安心感を覚えるように、カップルもまた「一緒にながら独り」になることで絆を深めることができる。これによりカップルはそれぞれに自分の興味を追求することができ、同時に空間を共有することができる。要するに、プレッシャーを感じることなく親密さを深めることができるのだ。
米人気ドラマ『ビッグバン★セオリー』のあるエピソードで、ジョニー・ガレッキが演じるレナードがパラレルプレイについて短く言及している。レナードは、シェルドン(ジム・パーソンズ)とエイミー(メイム・ビアリク)が同じ部屋で何時間も一緒に座っていながらやり取りがあまりないことをからかっている。シェルドンがノートパソコンで作業をしている間、エイミーは静かに編み物をしている。
これは表面的には奇妙な行動に見えるかもしれないが、実は常に会話をしたり行動を共にしたりすることに頼らなくてもカップルが親密でいられることができるという完璧な例だ。親密さは互いがそばにいるという心地よさだけで築けることを表している。
パラレルプレイが恋愛関係にもたらす2つのメリットを紹介しよう。



