2. 関係の中でそれぞれの成長を促す
どのようなパートナーシップにおいても、互いの生活が統合されていくにつれ、自分の目標や趣味、個人的な成長を見失いがちになる。パラレルプレイでは、パートナーと空間を共有しながらも自分の個性を維持できる。
専門誌『Journal of Personality and Social Psychology(ジャーナル・オブ・パーソナリティ・アンド・ソーシャル・サイコロジー)』に掲載された研究では、自己評価が恋愛関係の状態に依存する傾向のことを指す「関係依存型の自己評価」(RCSE)という概念を探っている。
RCSEがその時々の自己評価や関係力学にどのような影響を与えるかを見るために、日記をつけるという手法やカップルへの聞き取りを用いて参加者の日々の経験や感情を追跡して4つの調査が行われた。
RCSEの傾向が強い人は恋人との間の出来事によって自己評価が大きく変動し、RCSEの傾向が強いカップルは関係に献身していると感じているが、必ずしも親密さや満足感を抱いているわけではなかった。
4つの調査に共通する主な発見は、RCSEの傾向が強いとその人の自己価値がパートナーや関係に過度に依存するようになり、いくつかの否定的な結果をもたらすということだ。
肯定感や自己価値を高めるためにパートナーや関係に依存しすぎると、「エンメッシュメント」になってしまう。エンメッシュメント型の関係では2人の境界が曖昧になり、それぞれが自己と自主性を失っていく。
これは、感情的な依存や関係の浮き沈みに対する不安につながるため、非常に不健全になる可能性がある。やがて自立した選択をすることさえ難しくなるかもしれない。
個人的な成長をサポートし合うカップルは、共有する時間がより充実したものになることが多い。肯定感を得るのに互いに相手に依存するのではなく、自分もパートナーも自分の興味を追求する自由を持つことで自信と達成感を得ることができる。これはまた、絆を新鮮で生き生きとしたものに保つ。
この成長は、関係に新たなエネルギーと視点をもたらす。さらに重要なのは、演技をしたり、常に関わりを持たなければならないというプレッシャーが少なければ、共有する時間がより自然で純粋に楽しいものに感じられるということだ。
結局のところ、カップル双方がそれぞれ成長することで関係全体がうまくいき、回復力のある、深く満足できる絆を築くことができる。
バランスを取って関係を優先させる
日々の暮らしでやることが増えるにつれて、恋愛関係は簡単に揺らいでしまうものだ。どんなに親しい関係でも徐々に距離ができることがあり、まったく気づかないうちに距離ができていることすらある。
つながりが希薄になり、共有する時間が有意義というより習慣に感じられることもあるかもしれない。このような変化は、責任や外部からのプレッシャーが重くなってきたときに現れ始める。その距離を埋めるための第1歩は、2人の関係を優先させることを選択することであり、まずパラレルプレイを受け入れるといい。
これはデートやその他の計画的なアクティビティなど、体系化された質の高い時間を完全に置き換えるという意味ではないことを覚えておいてほしい。そうした時間も同様に重要だ。パラレルプレイはお互いの個性を尊重しながら空間と存在を共有することで、こうした意図的な時間を補う。
親密さは一緒にいるという日常の流れの中で育まれ、人生において避けられない変化の中で関係をより適応力と回復力があるものにする。


