感情も分析することで武器になります。執着心が強い方が、弱い人より勝ちやすいと理解できれば、執着心を高める訓練をすればいい。たとえば、自分の「もう限界」と思うラインを、一段上に置いてみる。そんな小さな挑戦の積み重ねが、成功確率を高めるのです。
私の例でいうと、PayPayのマーケティングで数百億という比類ない予算を投下しました。正直、怖いことです。でも「怖くても必要なら突っ込む」。小さく始めることと矛盾するようですが、成功の芽が見えた瞬間にギアを上げることも、トレーニングで実践できるんです。
やり方を柔軟に変えられる人が勝つ
ほかにも、成功確率が高まるのは、WHAT(何をやるか)ではなくHOW(どうやるか)にこだわる人です。私が投資を決めるのも、「やりたいことにこだわる人」ではなく「なんでもいいから成功したい」と思える人。時代に合わせてやり方を柔軟に変えられる人ですね。今ならやはりAIです。
最後に、とにかく経験を積むこと。守るものが少ない20代は無鉄砲でいい。人に会いまくるでも、会社を無償で手伝うでも構いません。多様な経験を通じて、自分のケイパビリティや好き嫌いを客観視してほしい。
一発目から正解が見つかるはずがない。そう理解して行動することで、スタートアップにおける成功確率が高まるでしょう。
小澤隆生(おざわ・たかお)◎ Boost Capital代表取締役。1995年早稲田大学法学部卒。CSK(現SCSK)を経て1999年にビズシークを創業し2001年に楽天に売却。その後楽天で各種事業の責任者に。11年創業のクロコスをヤフーに売却しヤフーに入社。ヤフーではショッピング事業等を主に担当。YJキャピタル(現Z Venture Capital)にてVC事業も。22年4月から23年9月まで社長。24年1月、ブーストキャピタルを設立し代表取締役に就任。25年には著書『凡人の事業論』(ダイヤモンド社)を刊行。


