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2025.09.19 09:15

リファラル採用が拡大も「社内広報不足」で成果に壁

Getty Images

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企業の人材確保競争が激化する中、社員の人脈を活用するリファラル採用に注目が集まっている。

従来の求人サイトや人材紹介会社では接触できない転職潜在層へのアプローチ手段として期待されているが、実際の運用では課題が浮上している。ウィルオブ・パートナーが人事・採用担当者416名を対象に実施した最新調査から、制度普及の現状と企業が直面している課題が明らかになった。

リファラル制度の認知は6割超

調査でまず「リファラル採用という言葉を知っているか」を聞いたところ、64.7%が「知っている」と回答した。人事・採用業界では既に広く認知されている制度であることがわかる。

さらに、制度を認知している人事担当者に実施状況を確認すると、81.4%が「リファラル採用を実施している」と答えた。制度を知っている企業の8割以上が実際に導入しており、リファラル採用への期待の高さがうかがえる。

実施企業での成果はどうか。リファラル採用を導入している企業に採用実績を聞いたところ、91.8%が「採用実績あり」と回答した。10社中9社以上が実際に人材を獲得しており、制度としての有効性は既に実証されている状況だ。

最大の課題は「社員への広報不足」

しかし、課題は存在する。実施企業に「リファラル採用を実施・検討する上での課題」を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「社員への広報ができていない」で33.5%を占めた。

続いて「成果が出ない・成果が出るか不透明」(30.9%)、「社員の協力が得られない」(30.1%)がほぼ同率で続いた。これら上位3項目は多くの企業が共通して抱える課題であることがわかる。

さらに詳しく見ると、「採用フローが煩雑でわかりにくい」(29.4%)、「効率的なやり方がわからない」(28.3%)、「インセンティブ等の制度設計が不十分」(27.5%)、「社内のリソースが足りずリファラル採用に工数を割けない」(25.3%)と続く。制度の設計から運用まで、多岐にわたる課題が存在していることがうかがえる。

社内浸透の改善で更なる採用機会の拡大へ

リファラル採用の課題は多岐にわたることがわかった。しかし現在でも制度を知っている企業の8割が導入し、9割が成果を上げているという高い実績を考えると、社員への広報やインセンティブの設計を十分に行い協力を得られるようにすれば、さらに優秀な人材との接点が生まれる可能性がある採用の方法といえるだろう。

【調査概要】
調査対象:人事・採用職として働く20歳~59歳の男女416人
調査期間:2025年7月22日~7月28日
調査方法:オンライン上でのアンケート調

出典:ウィルオブ

プレスリリース

文=池田美樹

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