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2025.09.13 12:00

新顔ビリオネア14人の平均資産は1.2兆円、米長者番付「フォーブス400」2025年版

(写真左から)マイケル・イントレーター、エドゥアルド・ビバス、マーク・ロア(Getty Images)

(写真左から)マイケル・イントレーター、エドゥアルド・ビバス、マーク・ロア(Getty Images)

世の中にはお金でしか手に入れられないものがある。その1つがフォーブスの米国長者番付「フォーブス400」に名を連ねることだ。しかも、2025年版のランキング入りに必要な最低資産額は38億ドル(約5586億円。1ドル=147円換算)に達した。これは株式市場の勢いを背景に、前年から5億ドル(約735億円)も上積みされた金額である。昨年の掲載者の90%以上が再びランクインを果たしたが、14人の幸運なビリオネアが今年初めてこのエリート集団に加わった。

AIブームを背景に14人が初登場、トップはSurge AIのエドウィン・チェンで資産約2.6兆円

彼らはコーヒーショップからがん診断、そしてもちろんAIブームに至るまでの多様な分野で財を築いた。新顔14人の総資産は1133億ドル(約16.7兆円)で、平均81億ドル(約1.2兆円)に達している。このうち4人は100億ドル(約1.5兆円)以上を保有している。

今回最も裕福な新顔は、データラベリング企業Surge AI(サージAI)の創業者兼CEO、エドウィン・チェンだ。同社の推定75%を所有する彼の資産について、フォーブスは180億ドル(約2.6兆円)と推定している。

2番目に裕福な新顔は、マーケティングソフトとモバイルゲームを手がけるAppLovin(アップラビン)の共同創業者兼CEO、アダム・フォルギ。資産は174億ドル(約2.6兆円)と推定されている。同社からは今年3人の新顔が登場しており、その中には、「最も貧しい新顔」とされる資産38億ドル(約5586億円)の初期投資家エドゥアルド・ビバスもいる。

新顔の3位はロバート・ペンダーとマイケル・サベルで、それぞれ128億ドル(約1.9兆円)の資産を持つと推定。両者は、液化天然ガス輸出企業Venture Global(ベンチャー・グローバル)の共同創業者だ。

14人のうち、8人はテクノロジー分野

今年の新規参入者14人のうち、8人はテクノロジー分野で富を築いた。その中には株取引アプリRobinhood(ロビンフッド)の共同創業者、ヴラド・テネフも含まれる。残りの6人は、エネルギー、金融・投資(各2人)、食品・飲料、ヘルスケア(各1人)など、幅広い業界の出身だ。新顔14人の平均年齢は50歳と、「フォーブス400」全体の平均年齢70歳に比べて若い。この事実は、彼らが今後何年にもわたってランキングに名を連ねる可能性を示唆している。

また、今回の初登場組とは別に、過去に「フォーブス400」から脱落した22人のビリオネアが2025年版で復帰している。その中には、暗号資産分野の富豪キャメロンとタイラーのウィンクルボス兄弟、テネフの共同創業者であるRobinhoodのバイジュ・バットなどがいる。

新たに加わった、14人のビリオネア

以下に、「フォーブス400」2025年版に新たに加わった14人の富豪を紹介する(資産額はいずれも2025年9月1日時点の推定。日本円の金額は1ドル=147円換算)。

エドゥアルド・ビバス(39)

資産額:38億ドル(約5586億円)|資産の源泉:マーケティングソフト、モバイルゲーム

エドゥアルド・ビバス(Photo by Kelly Sullivan/Getty Images for TechCrunch)
エドゥアルド・ビバス(Photo by Kelly Sullivan/Getty Images for TechCrunch)

ビバスは、マーケティングソフトとモバイルゲームを手がけるAppLovin(アップラビン)から生まれた8人のビリオネアの1人だ。同社の時価総額は2021年の新規株式公開(IPO)以降、6倍以上に拡大し1600億ドル(約23.5兆円)を超えている。その8人のうち2人は米国外の出身で、さらに3人は今年のフォーブス400の最低ラインに届かなかった。残る3人はいずれも今年初めてランキング入りした新顔で、ビバスもその1人だ。

彼はかつてAppLovinのCEOアダム・フォルギと別のスタートアップを共同創業。その後、フォルギが立ち上げたAppLovinに初期投資家として関与し、ビリオネアの仲間入りを果たした。同社株の約2%を保有する彼は、2018年から取締役を務めている。

マーク・ロア(54)

資産額:40億ドル|資産の源泉:Eコマース

マーク・ロア(Photo by Cindy Ord/Getty Images for Jet.com)
マーク・ロア(Photo by Cindy Ord/Getty Images for Jet.com)

連続起業家のロアは、Diapers.comなどの初期のインターネット企業を手がけた後、2016年に自身のECスタートアップJet.comをウォルマートに33億ドル(約4851億円)で売却したことで知られている。最新事業であるWonder(ワンダー)は、質の高いレストランを厳選したフードデリバリーのスタートアップで、2025年5月に投資家から70億ドル(約1兆円)超の評価を受けた。さらにその翌月には、野球界の伝説アレックス・ロドリゲスとともにNBAのミネソタ・ティンバーウルブズの過半数株主となり、2021年に締結した段階的な買収契約を完了させた。買収額は15億ドル(約2205億円)だったが、フォーブスは現在、このチームの価値が約2倍に膨らんだと見積もっている。

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翻訳=上田裕資

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