サイエンス

2025.09.18 17:00

100年ほど前に相次いで絶滅した、北米の美しい鳥4種

カロライナインコ(Photo by Fine Art Images/Heritage Images via Getty Images)

4. カササギガモ

カササギガモ(PHOTOSTOCK-ISRAEL/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images)
カササギガモ(PHOTOSTOCK-ISRAEL/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images)

カササギガモは、カナダのラブラドール地方から米国の北東部にかけて、北米大陸の北東部の沿岸地域に住んでいた、非常に特徴的な種だ。大きくがっしりしたくちばしと、白と黒の羽毛を特徴とするこの鳥は、海に暮らすカモの仲間で、主に軟体動物や甲殻類など、海生の無脊椎動物をエサにしていた。

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彼らは、岩が多い海岸地帯の寒冷な環境に適応し、目立たず、見つけにくい存在として生息していたと考えられている。他の多くのカモ科の種と異なり、カササギガモは生息域が比較的狭く、しかも食性が特殊化していたため、環境の変化に特に弱い種となっていた。

この種の鳥が最も頻繁に見受けられたのは、ニューファンドランド島の沿岸と、ノバスコシア州の一部地域だったが、繁殖に関する生態については詳細な記録が残っていない。

カササギガモの絶滅は、主に以下に挙げる3つの要因で起きたと考えられる。1つ目は乱獲。2つ目は、海岸地域の人間活動による生息環境の減少。そして3つ目は、エサとして頼っていた、海生無脊椎動物の個体数減少だ。

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カササギガモの食性は非常に限定的で、環境の変化に対して非常に脆弱なものだった。入植者が生息地に分け入ってくるに伴い、特に19世紀に入ると、狩猟による圧力が高まった。とはいえ、カサギガモは近づくのも難しく、すぐに飛んで逃げていたという。

その後は20世紀に入っても、時折、種を確定できない状況での目撃情報が報告されたが、20世紀初めに絶滅が宣告された。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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